BiascaからBellinzonaの間はずーっと平坦…はい、ご覧のように平らでした。
Giubiascoからは一気に1004mまで登って降りて、また上って。上の高低図はハイキング道の高低で地形のそれとは若干ずれてるかもしれませんが、GiubiascoからLuganoまでまた山越えです。
ゴッタルド峠の下を通る世界最長の鉄道トンネル、ErstfeldからBiascaまで線路が余計な上り下りをする必要がなくなったので大型車両ですっ飛ばすことが可能になりました。
さてBiascaからBellinzonaまでは平坦でほぼ直線だからよいとして、Bellinzonaを出発した列車は西に方角を変え、Giubiascoのところで二股に分かれ(Locarno方面とLugano 方面)、Lugano行きのはMonte Ceneriのところでトンネルに入ると同時にググっとほぼ直角に曲がり、そののち山の隙間の町々を結んでいます。BellinzonaからLuganoまでほぼまっすぐに走れるように、と掘っているのがGalleria di base del Ceneri、 Ceneriトンネルです。
このトンネルをなぞるかのように走ってるのがVia GottardoとTrans Swiss Trailのロングトレイルの経路。長さは15.4㎞で、Gottardoトンネル、Loetschbergに次いで、スイスで3番目の長さのトンネルなんですね。Furka(フルカ)トンネルも相当長いと思ったが、こちらは15.35㎞と50センチ短かった。Gottardoトンネルと同様片側通行のトンネルが2本、40mの間をあけて通ります。2006年から始まって2020年12月から運用が始まる予定。これにより、今まで58分かかっていたBellinzonaとLugano間がノンストップで30分に短縮されます。GottardoとCeneriのトンネルが2本そろってBaselやZurichからミラノまでの高速鉄道計画が完成するわけです。
というわけでGiubiascoからはまた山道です。
トンネルはさておき、険しくて深い山岳地帯が終わったBellinzona以南は公共交通網が密です。ここを走るのがTILO、TicinoとLombardie、スイスとイタリアをまたいだ交通網でスイスのFFS(SBBのイタリア語名)とTrenitaliaが50%ずつ出資して2004年より運行。Ticinoからミラノまで乗換なしで行けます(現在はコロナウィルスの影響で随分と変わっている…)。
しかしこれがスイスとは思えないほど遅れる!スイスとフランスにまたがるレマンエクスプレスも散々なようで、国をまたぐ鉄道の運行は簡単にはいかないらしい。技術面での違いの他に、どうも鉄道には国ごとに「哲学」があって、これを乗り越えて歩み寄るのはとっても難しいらしく、うまくいっているのはスイスとドイツの間くらいという話。あ、TILOはしょっちゅう遅れるので接続のバスは駅で待っててくれてますので、その点はご安心を。
Ceneriトンネル SBB内の公式ページ:
https://ceneri2020.sbb.ch/en/home.html
TILOのサイト