Via Francigena(37)CorseauxからVevey

地図でも一目瞭然。建物が「点在」するだけの一面ブドウ畑の風景から一転、大型ではなく小振りではありますが、密集とは言わないまでも建物がびっしり建っています。いや、相当広い庭付きの住宅がほとんどなんですが。Lutryからこの先のCorseaux(コルソー)、Corsier-sur-Vevey(コルシエ・シュル・ヴヴェイ)など14の市町村の一帯が「ラヴォーのブドウ畑」として2007年に世界遺産登録され、新規の建物の建築が制限されています。なるほど登録が無ければラヴォー全体が建物で埋め尽くされた可能性も大いにありますね。

いよいよブドウ畑の中の道から、Corseauxの町中へ急坂を下りていきます。

Cave de Corseauxの建物の前を通ります。以前、ブドウ栽培家には2種類あり、ブドウ栽培から収穫したブドウをワインに仕込むまでを一貫して自分で行うVignerons encaveursと、ブドウを栽培して収穫した後は、醸造から販売は地域の協同組合の専門の人が行う形式に大別できること、どちらが良い悪いというわけではない、と書きました。このCaveはCorseaux地区の協同組合のワインを扱っており、便利なことに(ほぼ)毎日、決まった時間に開いているので気軽に地域のワインが買えます。何本かお勧めワイン、つまり開栓してあるワインが明記されてて試飲して買った記憶あり(飲んだら買おう)。

Corseauxの市庁舎の建物の角でハイキング指定道が四辻に分岐しています(黄色のハイキング道方向表示板)。画面左に上って行く道。右手の下りの細道をたどればVevey-Funi駅からVevey駅への近道です。70番のVia Francigena道はこのまま真っすぐですが、Vevey駅へはかなりの大回りになるので疲れている場合は無理せずショートカット道を。

ちょっと行った先にケーブルカーの線路。Vevey-Funi(ケーブルカー)駅からMont-Pelerin駅(標高811m)まで、やはりブドウ畑地帯のChardonne(シャルドンヌ)や高速道路を越えて上って行きます。終点は当然ながら眺め良いです。駅名はMont-Pelerinですが、Mont-Pelerinの山頂は駅から大分ある。

Corseaux墓地の横を通ると、Tombe Neolitique(新石器時代の墓地跡)のパネル。

墓地に入らずとも柵の外からでも見られる、ベンチにも見えるのがそうらしいです。Corseauxには複数の新石器時代の埋葬場所跡があるそうです。墓地には普通の現代人の墓もあり(こちらの方がほとんど)著名人ではイギリス生まれの小説家Graham Greene(1904~1991)の墓。映画化もされた「第三の男」の著者だとか。

交通量の多い車道に出て渡って、表示の通りに進むと

Corsier-sur-Veveyの中心部に出ます。教会の横に公共トイレあり。Corsier-sur-Veveyの、中心部からちょっと離れた広大な敷地にはチャップリンが晩年を過ごしたお屋敷があり、現在はチャップリン・ワールドとして一般に公開されています。これも以前書いたところですが、教会のすぐ近くの公園などに彼の名がついています。

Corsier-sur-Veveyから細道を下っていく途中にある墓地にはチャップリン(1977年没)と夫人の他にJames Hadley Chase(イギリス出身の作家・1985年没)、James Mason(イギリス出身の俳優・1984年没)の墓もあるそうで、チャップリンと親しかった彼らイギリス人脈が多数この辺りに集ったり晩年を過ごしていたのですね。

Vevey-funiの駅の前まで下りてきました。同名の駅は3つあり、左側にCFFの鉄道駅があり、奥右側にMont-Pelerinまで上がっていくケーブルカーの始発駅、さらにケーブルカー駅建物の前から、Vevey駅~Montreux駅、さらにその先まで行くバスの停留所があります(ここが始発停留所)。

Vevey-funiのCFF鉄道駅からは、山線(私が勝手に名付けているのだけど)でPuidouxまでブドウ畑の中を上って行く短いけれどかなり絶景な車窓が楽しめます。その線路をくぐるとNestle(ネスレ)の本社建物。建物内見学リポートは次々回。Vevey駅は線路の向こう側の大通り、線路のこちら側の道、湖沿いの道、とどれでも行けます。大型スーパーなどが多いのは線路の向こう側の大通り沿い。

11時にLutry駅を出発し、休憩挟んでVevey駅に着いたのが16時20分。目安の所要時間は休憩なしで4時間半。ただし、晩春以降、晴れの天気時には暑くなるので、そこまで連続して歩くのは大変と思います。

歩行と写真は2023年4月下旬

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