Via Francigena (5) フランスからベルンまで塩を運んだ馬車道

Ste CroixとVuiteboeuf間の後半部分、薄黄色の太線は1838年につくられた州道で車道。緑の太線のうち上にあり、州道を横切ってるのが今、歩いている道で1760年より前に、石灰岩を削って整備された道。ちなみに緑の線から離れて、826(m)の上を通っている破線は1760年につくられた「新道」で傾斜がゆるいらしい。

11月中旬で霧に加えて落ち葉が路面を若干隠していますが、中央に見える「溝」は馬車や牛車の車輪のための溝。鉄道における線路の役割をしていて、車輪が溝(轍)を伝って下りて(上って)いったそうです。ま、確かに溝がないとスピードが出て道から外れて落ちたら危険!

馬車の往来は激しく、車輪で削られ削られすり減って、14~18世紀にかけて、何度も削りなおされた道。特に交通量が多かったのが17~18世紀にかけてで、何を運んだかというと、

国境から東にあるVaud(ヴォー)州はベルン州の支配下にあり、この道はフランスの東部からベルンまで塩を運ぶ歴史的な道Via Salinaの一部でありました。

塩がなければチーズが作れない。内陸国のスイスでは塩と引き換えに傭兵の人的輸出がなされたわけですが、それはまた別の話。フランスからの塩の輸入はスイス国内、この先のBexで塩山が発見されるまで続きます。その後、塩を運ぶ道はここより西のBallaigues、東のVerrieresを通る道に移行し、1838年に州道が開通して以降は役目を終え「歴史の道」となりました。

ハイキング道は時折、車道を横断し、

Vuiteboeufが見えてきました。標高590m位なので400mほど下ったわけです。Ste CroixからVuiteboeufまで2時間程度。逆方向の上りでは2時間半。ちなみに最初の地図上でGrange-la-Coteとある辺りに塩が運ばれた当時、馬の中継地点として使われた建物が残ってるそうです。私が最後に訪れた2016年以降、道の途中に東屋や解説板などが整備されたようです。

2016年は、Ste-Croix, le Châteauのバス停があるところから薄オレンジ色で描かれたハイキング道(表示あり)を通ってBulletに寄り道しました。

霧(靄?)が海のように広がっていて

幻想的でした。

この地方は特に、秋から冬にかけての霧が深いのですが、季節が違えば、特に春先の葉がそれほど茂っていない時期なら木の間から、ずっと下の景色がよ~く見えるはずです。

写真と歩行は2012年11月中旬と1016年11月下旬

Ste-CroixからVuiteboeufの間の歴史的な道について(英語)

https://www.myswitzerland.com/en-ch/experiences/route/wheel-ruts-in-the-vaud-jura/

ハイキングコースの説明、塩が運ばれた道

https://www.terrenature.ch/balades/les-marchands-sont-passes-par-la/

Via Salinaのパンフレット

https://www.vd.ch/fileadmin/user_upload/organisation/dinf/sipal/fichiers_pdf/107_VIA_SALINA.pdf

日刊紙24heuresによるレポート

https://www.24heures.ch/sur-la-cote-de-vuitebuf-dans-les-ornieres-des-chars-de-sel-664758639518

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