2つ目の教会は町の外れに

スイスで州により祝日が微妙に異なるのは、その州がカトリックかプロテスタントかによります。州に一つあるかもしれない(ないところもある)大聖堂(それほど大きくなかったりもするけど。要するに親分的存在の教会)は新旧キリスト教のどちらか片方に属しています。大聖堂がない州もありますね。大聖堂や修道院などかつての教区と州の領域は別物なので。

上の地図の真ん中あたりに縦に川が流れています。ローヌ川の西側がカトリック州のValais/Wallis、東側がプロテスタント州のVaudです。西側のMontheyと東側のBexという2つの町を見てみましょう。

まずはMonthey。中央の黒い建物が密集している地域が古くからの建物が残る、つまり昔からの町の中心地。よく見ると赤字で「Ville」とあり、ここに私鉄(赤の線)が北側から来ており、鉄道駅「Monthey-Ville」は終点。一方右上にある赤字の「Monthey」は連邦鉄道CFFの駅。こちらは鉄道駅ができた当時は町外れだったはず。

中央に黒点がある白丸が教会の地図記号。古くからの町中心にある左のほうはカトリック教会(C)。右側の教会はプロテスタント(P)。一見CFFの駅に近くて「良い場所」に思えますが、スイスの連邦鉄道の駅はたいてい旧市街から離れた「何もなかったところ」ところにつくられます。人口の増加につれ建物が「町の外」にも広がりましたが、それは現在の話。

Monthey の中心部2021年12月

MontheyがあるValais州はカトリックの強い州で、昔は教会は(多分ほぼ)全部カトリックでした。その後の州外やスイス外からの移住者が増え、プロテスタント(P)のが建てられました。

こちらはVaud州のBex。Montheyの川を挟んだお向かいで異なる州。左にBexのCFF駅があります。町の古くからの中心は駅から距離を置いた東側、緩やかに湾曲しながら伸びる街道、その両側に古くからの建物がつながっています。

Bexの昔からの町中心

この街道の先には塩鉱山があって今でもバリバリ採掘しています。海無し国のスイスにとって塩鉱山は生命線。Bex周辺にはMontheyも含めてですが塩精錬関連の施設がある町が多数あります。

Bexの場合、古くからの町中心にあるのがプロテスタント教会(P)、そして中心から川を挟んだ向こう側(日本でも川向といういい方しますよね)町の外れにあるのがそれより新しいカトリック教会。今では周辺に新しい建物が建てられていて僻地感はないですけど。このように元からあるのとは違う宗派の教会を建てる場合は町や城内の外になります。大都市になるとカトリック・プロテスタント以外の他の宗派の教会も。

Bex。こちらは去年の12月

スイスの場合は、小さい国の中に強い自治権をもつ州があり、州ごとにカトリックかプロテスタントであるかが(おおよそ)決まっていて、モザイク模様のように旧教と新教の州が分布しています。

Bex

両派がお隣り同士で存在していますが、「仲良く共存している」わけではなく、この二派のどちらが主流であるかにより、州が分裂したり新しい州が独立したり、州の帰属を変えたり、複雑な州境を形成したりします。まあ、今では大抵の教会がガラガラだったりもしますが。

以前の記事から、州によって学校休みがかなり違う

Juraとはなんぞや:プロテスタント&ドイツ語話者が多数を占めるベルン州に属していたカトリック&フランス語話者部分がスイスの最新の州、Juraとして独立するまでの長い闘争

スイスにおける宗教:スイスにおける宗教(前)無宗教が大勢に近づいている(中)社会のベースは(後)番外編として後見人制度

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