２の大聖堂から５のGrand Conseilの横を通って３のChâteau St Maireまで行きます。その前に、Gymnase de La Cité。
大聖堂の周りには細い道がいくつかありますが、左側の道を進むと、別の塔が見えてきます。
塔はGymnase de La Cité。1587年創立の現役の学校で今でも高校として使われています。Gymnase de La Citéの建物は2棟あり、ここの他の別棟はPont de Bessièresから上ったところにあるBâtiment de la Mercerieで1766～1771年に建てられ病院、刑務所を経て教育機関になりました。それに対し、こちらの建物はベルン勢力により建てられて以来、神学、ギリシャ語、ヘブライ語、芸術を教える教育機関でした。
Lausanneは旧市街でも新しい建物が建てられて古い建物の面影はほとんど残っていませんが、La Cité（ラ・シテ LaのLは大文字）の丘だけは昔々のの面影が若干残っています。振り返ると大聖堂の尖塔。
左側にGrand Conseil、州議会の扉。
左側の赤茶屋根の建物が議会、外に面したテラスがある議会付属レストランは一般にも開放。
丘の北の端、Château St-Maire。州の行政機関が入っている建物で、正面に銅像。
Major Davel、ダヴェル将軍の像であります。Vaud州独立のシンボルのお方。
1898年、Vaud州が独立して100年の年にお披露目されました。
Château St-Maireは、ほぼ立方体の形をした建物。9世紀末、ローザンヌの司教が住み始めたのは、現在は歴史博物館となっている地図では4番の建物（大聖堂のすぐ向かい）でした。11世紀末、ブルゴーニュ王国は神聖ローマ帝国の一部となり、帝国皇帝の直属の配下となった司教は、貨幣の鋳造を任され、市場の権利を有するなど宗教トップにとどまらない絶大な権力を握っていました。12世紀頃からは大聖堂、14世紀末からは要塞を兼ねたChâteau St-Maireの建設が始まりました（1397～1430）。
1536年にVaudがベルンの支配に落ちると、Chateauはベルンの監督官Bailliが、Vaudが独立した1798年よりは州の行政トップの居城となりました。大昔はレマン湖のほとり、Vidyにあった宗教と行政の中心はVidyからシテの丘に移り、今でも続いているというわけです。城は改築と改装を繰り返し、直近では2015～2018年にかけて行われた大改装。2.8ｍの壁の厚さの部屋など建築当時を回復保存しながらも内部はエレベーターの設置や断熱工事などが行われました。
Chateauに面した建物にも州政府関連の部署が入っています。
北側は切り立った斜面で敵の侵入を防ぎ、高台からLausanneの街を見下ろせる絶好の立地。
先ほどのGrand Conseil du Vaud、州議会の建物まで戻ります。元あった建物を基礎に1803年に建てられ建物は2002年に焼失！現在のは2017年に再建された新しいデザインのもの。
Grand Conseilの南側から、地図で破線で表された小道をたどって下に下りていくと、向かいの大きな建物Palais de Rumine、
Palais de Rumineの上層階に通じる「橋」があるんですね。この裏口から、開いてればですが中に入れます。トイレもあります。橋を渡らずに左側に行くと大聖堂に戻れます。
左側、Palais de RumineにGrand Conseil。ちなみに、再建されるまでの15年間、州議会はPalais de Rumineの一室Salle de l’Aulaで行われていました。
Palais de Rumineは1892～1902年の建築。最初は大学として使われていましたが、現在は博物館、州立図書館が入ってます。図書館で本を借りるにはカードが必要ですが、入る分には誰でも入れます。
Palais de RumineのSalle de l’Aulaでは1923年、今からちょうど100年前の7月24日、Traité de Lausanne、ローザンヌ条約が調印されました。第一次世界大戦以来続いていた元オスマン帝国と連合国との間の戦争状態が終結し、トルコの現在の国境線が規定された講和条約ですが、連合国の中に日本も入ってたんですね。日本も関わっていたのか。
Chateau St-Maireについて、Vaud州のHPから：