Via Gottardo(4)Baselを出発する

バーゼルの3つの国につながる鉄道駅を紹介しましたが、鉄路に加えて重要なのが水運。ヨーロッパ水運の大動脈ライン川で大型船舶が通行できる最上流地点がバーゼルです。スイス唯一の貿易港なことからPort of Swissとも称され、貨物取扱量年間650万トンのうち半分が石油関連。

ライン川の水力と宗教的に寛容だったことからバーゼルには早くから商工業者が多く移住し、近世から盛んになった織物・製紙業から染料・薬剤の需要が高まり、化学工業が発展しました。ドイツとアルプス以南を結ぶ陸路とライン川の水運が交差する地点であることから商業もまた早くから発展、ということでスイスには珍しく昔からの大都市!

https://map.wanderland.ch/

バーゼル市は同名のBasel州にあるのですが、このBasel州は1833年より二つの準州、Basel-Stad(街)とBaselland(バーゼル周辺)に分かれています。ライン川沿いを歩いてBirse川を越えたらBaselland準州。Birsfelden島があるところは既にBaselland。ここからの観光サイトはこちら。

https://www.baselland-tourismus.ch/

Birsfelden Kraftwerkは川の真ん中に造られた島にある水力発電施設です。ここから7番のVia Gottardoのコース通りに歩き始めました。バーゼル駅からコース通りに歩いた場合、1時間のところです。

ライン川沿いから少し右に折れるとなんと、両側に貨物が迫力で迫る地帯のど真ん中の道に入っていきます。通っていいのか?ここ?不安になるがコース上。ハイキングとは自然の中「きれいな景色」を歩くもの、という考え方が変わります。船から降ろされた物資を鉄道貨車に積み替えるところですね。イースターの連休中で人気の全くない中を一人歩く。ハイキング道の表示がなかったら立ち入らなそうなところ。歩いたところは特定の工場の敷地ではなく公道で、歩道もちゃんとありました。
ようやく積み下ろし地帯を離れ、物資運搬用の引き込み線を越えて林の丘へ。ホッ。

といってもまたしても人気がない、林の中の道。ここ、もうちょっと天気が良ければバーゼル市民が連れ立って歩く憩いの森なんだと思いますが、この日は天気が悪かった。

https://map.wanderland.ch/

しばらく歩くとGütenbahnhof  Muttenz。Muttenzの貨物操車場で線路・線路・線路。幅500mに渡って線路が広がっている上を渡って行きます。
液体燃料、肥料、穀物など、船で運ばれてきたものが貨車に積み替えられここから全土に輸送されます。

https://map.wanderland.ch/よりの地図

Muttenzの駅前通りを通り抜けたら小高い山へ登らされます。Muttenz周辺が標高290mくらいのところをWartenbergの丘は478mだからなかなかの登り、なんでこんな遠回りさせられて上らされるんだ、と思いながら登りきると良い眺め。思いっきり霞んでますが。
ちょっと平らになった頂上にはVordere(正面), Mittlere(真ん中),Hintere(後ろ)の3つのRuine=城跡があります。そのうちの一つにある塔からの眺めは良いです。

青銅器時代の遺物が出てきたことから昔から見張り台として重宝されてたのでしょう。城はおそらく12世紀末までには完成していたようです。

Baselland観光局による城説明

Wartenbergの丘をおり、Prattelnの市街へ向かいました。この日はここでハイキングを切り上げ、路面電車でBaselへ戻りました。ここまで4時間半で約15㎞。

2012年に私が歩いた時にはVia GottardoコースはPratteln駅を経由してその先は線路沿いをLiestal駅まで歩くルートをとっていました。手持ちのハンドブックでもそうです。これが2019年現在ではWartenbergの丘からPrattelnを経由せずに森の道を直接Liestal(駅)に向かっています。諸々の事情でのコース変更はあります。森の中の道も線路沿いの道も地図上で緑の線で示されていて、現地では黄色の標識で分かるようになっているはずです(歩き方の基本については2017年のブログ開始頃の記事等を参照してください)。PrattelnからLäufelfingenまでの29㎞は現在Bahnwanderweg、その名も鉄道のハイキング道として名前がついており、またLiestalからLäufelfingenまではVia Gottardoとも共通しています。Via Gottardoにしてもどの(ロング)トレイルにしても「絶対ここを歩かなければならない」ということはありません。森の道をとると途中眺めの良いレストランがありますが、しばらく駅やバスの停留所がないので歩き続けるのに不安がある場合はPlatteln駅経由もお考え下さい。

歩行・写真2012年4月初旬

Bahnwanderwegの全容

https://www.schweizmobil.ch/en/hiking-in-switzerland/routes/route-0467.html

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