クレディスイスとローザンヌ駅の工事とフリブール国際映画祭

クレディスイス(CS)の創業は1856年。私が以前書いていたゴッタルド鉄道(ゴッタルドトンネルを掘ってスイスを縦断する鉄道を作る)の建設資金調達のためでした。創業者Alfred Escherは鉄道事業の他に、連邦工科大学チューリッヒ校の創設にも関わったチューリッヒ出身の政治家。チューリッヒ駅の駅前広場に銅像があります。

3月16日(木)にCSの株価が25%、30%下落してどうなるんだ???の末、19日、日曜日の19時半からスイス大統領、財務担当大臣、スイス国立銀行、UBS、CS、FINMAという銀行を監督する機関のトップが並んで異例の「インターナショナル」記者会見。UBSによるCSの買収が発表され、21時まで質疑応答が続きました。

あれから一週間、毎日報道は続いています。24日の世論調査によると、この買収劇に対し回答者の過半数以上が「不満」を表明。この数年来、CSに関してネガティブな報道が目立った気がします。トップや上層部に金融界のスターを巨額の報酬で迎え入れるも、彼らのろくでもないスキャンダル(仕事ぶりとは別の、ライバル行に移籍した役員を探偵会社使って尾行させたとか、コロナ時に規約を破って派手に移動しまくってたとか)が報道されること多々・・・トップが「生え抜き」ではなくスイス外からの超高給取りなのはUBS側も同じですがね。

CSは「投資銀行」と紹介されてもいますが、スイスの一般市民が普通に口座を持ち、融資を受けたりしている銀行でもありました。UBSに買収された後、CS関係者の失業も多いでしょうが、UBS側でも人員削減は避けられないだろうし、そうなるとあぶれた残りの人員が銀行労働市場にあふれて他の銀行員を圧迫して・・・巨額の報酬を受け取って(結局は銀行を消滅させて)いたのは一部でほとんどの行員は毎日朝早くからトラムで通勤していたのだろうに。

SRFのポッドキャストから財務大臣Keller-Sutterのインタビュー(30分)

https://www.srf.ch/news/schweiz/finanzministerin-zu-cs-rettung-keller-sutter-risiken-fuer-die-steuerzahler-koennten-weitergehen

鉄道と言えばローザンヌ駅は現在、駅の大工事に向けて「準備」しています。駅の両側のスペースが工事用の壁で囲われて、でも工事の安全確保が確認できないとか何とかで、本格的に始まる前段階でストップ!去年から進まず!本来は2025年完成の予定が早くて2037年、実に12年の遅れが確定。きっとこの先もズルズルと遅れるのだろうな。渋谷駅の山手線移動工事に比べるべくもないですが、あまりにもひどい。スイス人もびっくり。

26日に終了したフリブール国際映画祭グランプリに早川千絵監督の「Plan 75」が選ばれたそうですが、もう一つ私がうなったのが「食べ物映画特集」で、一般投票により選ばれた5本の映画が https://www.fiff.ch/en/festival-2023/by-section/1487

The lunchbox (2013)Ritesh Batra監督 (インド、仏、独、アメリカ)

あん(2015)河瀨直美監督 永瀬正敏と樹木希林

Ramen shop(家族のレシピ)(2018)Eric Khoo監督(シンガポール、日本、仏)斎藤工

Delicatessen(1991)Jeunet &Caro監督(後にアメリなどを監督する)(仏)

Fried green tomatoes(1992)Jon Avnet監督(アメリカ)

最初の3本は以前私も観た!そして「あん」という映画、日本ではそれほどのヒットじゃなかったかもしれないですが、スイスでは(多分フランスでも)結構知られた(知ってる人は知っている)映画という印象があります。あん、家族のレシピの二本とも日本の悲しい部分を(も)描いている映画なのだけど、そこからの再生と希望が見られる映画。それにしてもアジアの食べ物は多彩で美味しそうだ。

Copyrighted Image

error: Content is protected !!
テキストのコピーはできません。