スイスでは自由にクーラーを取り付けることができない!

昔と比べりゃえらい違い。大型店舗やバスや電車内での冷房がどんどんどんどん増えてきているスイス。しかし!クーラーの設置には役所に申請して許可を得る必要があり、個人の家にはほとんどついていない。

超大型電器店に行ってもクーラーが無い!送風機や扇風機がちょこっとあるくらい。

8月7日の日曜紙Matin Dimancheに「クーラーなしで涼しく過ごす方法」があり、ついでに州ごとのクーラーの設置条件が載ってて、興味深かったので抄訳を。

審査基準は州ごとに違い、フランス語圏州の中ではジュネーブ州とヴォー州が厳しい(ドイツ語圏州については記述無し)。

ジュネーブ州は一番早く2002年よりクーラー設置に関する法律を設定。本当に必要なのか、クーラーの能力(つまり必要以上に高性能は駄目とか)、クーラーから排出される熱風、冷却水がどうしたこうした、などの審査が厳しい。

ヴォー州は2014年より法制化。クーラー以前に太陽を室内に入らせないようにする方策、つまり日よけやブラインドが設置されていることが前提。以前書いたことがあるがヨーロッパでの夏の暑さ対策の第一は太陽光をいかに室内に入れないか。雨戸は夜ではなく、むしろ日中に使用。壁が厚いので窓からの日光を遮れば相当の効果がある。朝には夜間の冷えた空気を室内に取り込み、日中はブラインドを下ろし、暑い空気を室内に入れないように窓を閉め切って薄暗い中で耐え忍ぶ・・・カーテンも有効だが、窓の「外側」に窓が熱くならないように何かをつける。パラソルも有効。

ヴォー州の審査基準の続き:冷やしたいスペースの面積に応じてクーラーのパワーを決める。そしてヴォー州の一番厳しい条件:クーラーの使用電力の50%以上は、設置場所と同一建物に取り付けた太陽光発電パネルから供給されなければならない!!!

NeuchatelとFribourgの2州ではクーラー新設は技術基準をクリアして、動力を再生可能エネルギーで賄うことが条件。建物がある場所か、それが駄目なら州内での再生可能エネルギーで。

JuraとValais州は申請のみでOK。クーラーの能力とか電力についての条件は無し。

勝手に内緒で設置できないのか?というと、スイスでは個人の一軒家でもベランダの取り付けなどを含めた外装を変えるのに許可が必要で大変、非常に面倒なのである。

外壁に断熱材を貼ってる

もっとも、近年は「省エネ」のためなら窓をしっかりとしたものに替えたり(熱の出入りの大部分は窓から。つまり冬の寒さに対しても夏の暑さに対しても超有効)、壁に断熱材を加えたり、そうした改装は推奨されてます

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