Elm (6) Lochsite 2つのプレートが接する線

地学ファンの皆さんお待たせしました!プレートテクトニクス理論、新旧2つのプレートが衝突した、その跡のDie magische Linien 「魔法の線」に文字通り触れられる世界でも珍しい場所。

Via SuworowとSoolの集落への分岐(618との数字がある右)から、小道をつたってSernf川沿いまで下りていきますが、その前に割とないがしろにされてるけど実は超重要なLochsite

小道を下りる途中、すぐに「Lochsite」への矢印表示(しょぼい木の札だった)が出てきます。上の地図では破線で描かれている道、

赤の線で加筆した道で、予備知識ないまま、よく分からないまま一応行っておくか、程度の気持ちで寄り道したところ、矢印の辺りでいきなりスゴイのが出現。

ここがLochsite!右側にベンチの一部が見えますね。生徒を10人ほど座らせて説明できるようなスペースなんですが・・・

左側にクリーム色の薄板のようなものが見えますか?これは本の形をした解説板。

開くと中に説明があるけどドイツ語のみ!

Glarner Hauptuberschiebung (Glarus周辺で見られる押しかぶせ(衝上)断層は35㎞に渡って線として視認できます。Die Situation bei der Lochsite。Lochsite周辺の説明。

昔地学で習ったプレートテクトニクス。地球の地表は何枚からのプレートから成っています。形成年代の異なる二つのプレートがぶつかって出来たのがアルプス。衝突によりプレートの端の損壊、堆積、浸食がすすみ、山脈の形成と同時期に渓谷等もつくられました。

プレートが衝突して出来るOverthrust of rock passage(押しかぶせ断層、衝上断層)は地球上広範囲にありますが、大抵は地中深くにあります。例外的に手の届くところにあるのがSardonaの衝上断層Grarus Thrust Fault。Sardonaでも当初は地中深くにありましたが隆起して今の標高に。

The magic line of Glarus ThrustはPiz Sardonaの周辺標高3056mにずーっと見えるんです。Thrustとは「押し込む」との意味。TrustじゃなくてTの後に”h”あり。

で、この断層の上下で2億年の形成時期の年代の違いがみられ、しかもここでは上下逆転しています。古い火山性礫岩層が新しい砂岩層の上にのしかかっている押しかぶせ断層。

でもそれって地層が布団と掛け布団を合わせて二つ折りにした時のようになって上下逆転してるのでは?と以前は考えられていたようですが、1950年代からのプレートテクトニクス理論と検証の結果否定され、現在は年代の異なる2つのプレートがぶつかり重なって山脈等が形成されたとの見識になっているそうです。

Glarner Hauptuberschieburgは線なので、Lochsiteのこの場所以外でも断層となっているのですが、他の場所は下すぎたり(地底)上すぎ(標高が高くて一般人にはたどり着けない)たりする中、ここLochsiteのみ簡単にアクセス可能。

そんなすごいポイントならもっとちゃんと説明しろよ、観光ガイドにもほとんど取り上げられていないぞ、と思うのだが(Glarus育ちの知人も知らなかった・・・)、せっかくの観光資源がもったいないなあ。

この日、ElmからSchwanndenまで実に他のハイカーには全く出会わず。Lochsiteも独り占め。。

写真と歩行は2021年8月下旬

ユネスコ世界遺産Sardona

https://unesco-sardona.ch/?lang=en

上記サイト内のプレートテクトニクス等の説明:

https://unesco-sardona.ch/en/understand

Swissinfo内のサルドナ世界遺産の説明(日本語)

Myswitzerlandサイト内の説明(日本語)

https://www.myswitzerland.com/ja/experiences/tectonic-arena-sardona/

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