Via Spluga (1) ThusisからChiavennaまで68km

遠くに行きたい。遠くから、さらに遠くへと歩きたい。となったらここでしょ、のVia Spluga。チーズの話の残りはまた後にして、思い出をたどって遠くへ行こう。

スイスの南東の端、赤い丸がついているのがVia Splugaの経路

スイスの南東の端のGraubünden(グラウビュンデン)州のThusisからSplügen峠を通ってイタリアのChiavennaまで歩きます。スイス内とイタリア内が半々くらい。4日間コースということにもなってますが、初日のThusisからAndeerまでは名所がいくつもあるので、見学しながら行くともっとかかります。全長68㎞、累計登攀距離が3300m、下りが3600m。

左側にVia SplugaがThusisからChiavenneまで。Thusisから東にTiefencastel、St MoritzにPoschiavo、懐かしい地名が並びます

ThusisからSplügenまでは黄色の郵便バスが、Splügenから峠まではスイス内ですがイタリアのバスが連れて行ってくれます。Splügen峠からしばらくはバスから離れた部分を歩き、途中IsolaからChiavennaまでバスがあります。Chiavennaからスイスに戻るなら、St-Moritzまでバスで一本です。

50番のロングトレイルVia Splugaはイタリアに入っても標識バッチリ!これはすごい

Thusisといえば、あの憧れの鉄道レーティッシュ鉄道のAlbula線と続くBernina線が始まるところ。この鉄道を見ながら歩くロングトレイルVia Albula/Berninaでご一緒しました。この鉄道の経路は、ドイツからイタリアへと縦断するための鉄道&トンネルをどこに通すかでゴッタルド峠経路と争ったのでした(そして二回ともGottardoに負けた)。

Albula/Bernina峠を通る経路と同様、Splugen峠もまた、南ドイツとイタリアのロンバルディ地方をつなぐ道であり、ロバの背に荷を載せて歩かれていた道でした。

Via SplugaはThusisから出発するとほどなくして峡谷、峡谷、峡谷が続き、トレイルの紹介サイトにも足元装備しっかりと、高所恐怖症の人は思い直してくださいと書いてあるようなところでもあります。しかし峡谷にも関わらずローマ帝国の時代から道がつながっていて、中世からは盛んに利用されていた道でした。

ThusisからSplügenまで、Via Walserと共通する部分もあります。Walserと聞いてピンとくる方いらっしゃいますでしょうか?Via Sbrinzの時に書いたけど、Wallis州から山を越えてTicino、Graubündenへと移動していった人たちをWalserと呼び、独特の黒い木でできた家と言葉が今に残っています

Zillisの教会の天井絵

Graubünden州の中のWalserのあとをたどるハイキング道がVia Walser。ということはThusisからSplügenまでWalserの影響もまた残る中を歩きます。

Via Splugaとはロマンシュ語、ドイツ語、イタリア語の三か国語、文化をつなぐ道でもあるのです。

最後に、峡谷で国境近くの通り道といえば軍事的に重要な地でもありますね。途中で長いこと一般には公開されていなかった地中の軍事基地があって、今では見学ができます。そういうわけで私も行ったわさ。

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ではVia Spluga、ゆるゆると足元に気を付けて歩いていきましょう。

Via Splugaのサイトをいくつか

https://www.viaspluga.com/en/itinerario/via-spluga/

グラウビュンデン州の観光サイト内のサイト:

https://viamala.graubuenden.ch/de/viaSpluga

おなじみスイスハイキングサイトの中から。ここから地図等へもとべます:

https://www.schweizmobil.ch/en/hiking-in-switzerland/routes/route-050.html

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