クネクネ道Tremola vecchiaが終わったところで標高1729m、Airoloまではまだ600mほど下ります。この辺りで雨が一時激しく降ってきて、上の写真右上のコンクリート製の建物で一時雨宿り。地図では三角の建造物Pozzo di ventilazione di Motto di Dentro、東側で南北に走る車用トンネルの換気孔で、ここ以外にも何か所かあります。
1977年開通の新道は峠を出発してからしばらく高所を真ーっすぐ進みますが、やがて長めのトンネルに入ります。旧道のクネクネが終わるあたりで地上に出ると大ーきなカーブを描きます。上の写真の真ん中あたりにある柵は歩行者保護ではなく放牧の牛用の柵ですね。柵に沿う感じで小道がありますが。峠の北側ではまだ咲いてなかったアルペンローズ?がこちらでは咲いてました。さてGottardo山塊ですが、Gottardoという名のピークはありません。峠の名は聖人の名、Hildestein司教の名から来ています。Hildestein司教は10世紀に今のドイツに生まれ、その名を冠した教会はイタリアやクロアチアから、北はスカンジナビア諸国にまで見られます。
私が6時間かけて登って降りたこの山塊の下には鉄道と高速道路のトンネルがあります。
地図の左下、アルプスの国防の最大の施設の一つがここVal Tremolaの南Motto di Dentroにあります。Fondo del Bossoに作られた要塞は1880年代から第二次世界大戦にかけて拡張を続けました。昔は要塞を見学できたそうですが今はどうだかな?
Airoloの街が見えてきました。プラレールでこんなのあったなーと思えるようなすんごい立体構造。新道と旧道がヘアピンカーブを描きながら交差し、新道にはGöschenenからの長いトンネルから抜け出た高速道路が合流します。さらに、やはり長いトンネルから久しぶりの鉄道。1860年代初めにはTremola vecchiaと、ここからずっと北のUrnersee湖沿いの難所Axenstrasseに車道が開通したことでBaselとChiassoまでの全行程が水運に頼らず馬車で乗り継げるようになり、郵便馬車(郵便&乗客)が全盛を迎えます。Andermattから峠越えのバスに乗ると高架橋が連続する新道の方を通り、私が歩いてみた景色と違う、上からの景色が見えるはずです。
参考公式所要時間は峠からAiroloまで2時間半、7.8km、累積下り1027m。Airoloからは再び鉄道と高速道路が南へと続きます。Airoloから西へ、Nufenen峠を越えてValais州へ行く峠越えバスがあってこちらの眺めもお勧めです。
Airoloの町、標高1150mに着きました。雨が激しく降り出しました。駅前には1882年に完成した鉄道トンネルを記念する巨大な碑があります。写真を撮っていないのですが、担架で運び出される人物が描かれています。現場で倒れて亡くなった設計者Louis Favreかとも取れますが、トンネル建設で亡くなった200名以上とも言われる犠牲者全てを記念しているとも思います。鉄道建設工事には多くがイタリアから働きに来ていました。Favreが生まれたジュネーブ州のChêne-BourgにはPlace Louis-Favreと彼の名がついた地名と銅像と小学校があります。すぐ近くにはRue du Gothardもあります。今度行ってみよう。
歩行と写真 2012年6月下旬
ロングトレイルVia Gottardo 峠からAiroloまでの区間の公式
https://www.schweizmobil.ch/en/hiking-in-switzerland/routes/route/etappe-0986.html
Airolo周辺の観光公式サイト
https://www.bellinzonese-altoticino.ch/en/