今回の仮設スタンドGlanerarenaに設置された56,000 (5万 6千 5百)の席のうち、34,000(3万4千)席、つまり半分以上は各地のスイス相撲クラブに配分、販売されました。
さらにスポンサー、資金出資者、州、軍、警察、協力団体などへの割り当てがあり、一般に販売されるのは残り、僅か4千枚。売り出しから数分で完売し、入手はほぼ不可能。
チケットはスタンドの屋根付きの椅子席が290CHF、屋根なし椅子席220、芝生の上(つまり一番下)の椅子席が180CHFで、ここまでは2日間の通し券。それに63CHFの立ち席があり、これは土曜、日曜のそれぞれ1日券。
相撲団体や行政機関などへの割り当てられたチケットを、定価より高い値段、あるいは安い値段での販売は禁止のルール。
古き良き、山間の素朴な土地、スイスの第一次産業に従事していた人々発祥の伝統スポーツの祭典。ちなみに日曜午前の式典には連邦政府大統領も臨席。
土曜、日曜と2日間にわたり競技が行われ、午前午後にそれぞれの休憩時間には賞品の牛や馬のお披露目やアルペンホルンの演奏などがありますが、多くの観客が飲食物の補給にスタンドから出てくるので、この時間帯の周辺は大混雑。
土曜日は前日の雨で芝面がぬかるんでいてなかなか大変なことになっていましたが、普段農業牧畜地帯で格闘技に親しんでいる面々だからか、そんなことは一向に気にせず、大いに飲み食い歓談し、仲間の分も合わせてビールをケースで買って肩に担いで行ったのを目にしたのもこの時です。
スイス相撲に関わっていない一般人のチケット入手は難しいですが、大会が開かれる前や、大会開催日の競技が終わった後、スタンドが解体されるまでの間は意外にも自由にスタンドの中に入れます。
私は日曜日の午後早くに帰宅したので観られなかったのですが、居残った知人によると、競技と表彰式が終了し、観客がはけた後にはスタンドに自由に入れて、優勝者が一等賞の牛を連れて場内を歩いてくれてたのを見れたそうです。
もっとも、開催日以外は飲食や企業のブースは無いし、スタンドも開催後は早々に解体されてしまいます。スタンド、今年に限ってはスポンサーの一つであるMIGROSの創業100周年行事にも使われたそうだけど。
仮設スタンドの周囲を囲む壁にはメインスポンサーの名が、また観客席の各ゾーンにはスポンサーそれぞれの名が冠されています。スイスや地元を代表する企業名の中にSUZUKIの名。トヨタでなくスズキ。
前回、SUZUKIのロゴがついたキャップを熱望した見知らぬおじさんのことを書きましたが、つくづくSUZUKI、スイスの郊外農村部に根付いたんだなあと感慨。一部の都市部ではベンツがカローラのごとく走るスイスですが、郊外では日本車も強い。あとスバルも意外に目にしますね。
今回の写真は2016年8月、Estavayer-le-LacでのESAF、開催日の前の週末のものです。