Leventina再び(1)Dazio Grandeから

2023年の夏、Ticino歩き3日目。前日はBlenio谷から峠を越えてLeventina谷のPiottaに下りました。本日はLeventina谷をPiottaから南に行ったDazio GrandeからFaidoまで歩きます。

Dazio Grandeは以前連載していたVia Gottardoで訪れた場所で、街道を運ばれる物資や人をコントロールした歴史的建造物。関所、税関、物資の集荷所、休息所を兼ねてました。現在は博物館になってますが、なんと宿泊もできます!部屋はバストイレが付いた普通のシンプルな部屋に改装されていて、宿泊料もAiroloなどに比べてお手頃でした。主要鉄道駅のAiroloに比べるとDazio Grandeはバス停があるだけ。また私が泊った日は付属のレストランが休みで、20分くらい歩いた所にあるホテル&レストラン(ここは超お勧め)まで夕食のために移動する必要があったし、管理人はチェックイン時の夕方に居ただけで夜間は無人。宿に泊まっていたのは私たち以外はベルギーやオランダのプレートを付けた自家用車、つまり北の国から南国イタリアへ抜ける途中のバカンス客が大半。

Wassenの模型 線路グルグル

そんな彼らにはこの建物への思い入れは全然ないでしょうが(スイスに住む人だってほとんどの人は知らないと思う)、何たって私はVia Gottardo踏破した過去を持つ女ですから、泊まったついでに中の博物館、10年ぶりに見学。

この先のFaidoで、ただでさえ狭い地形を縫って鉄道があるところを更に立体的に高速道路建設中、の写真。

Dazio Grande(赤枠)がある場所の復習です。北からゴッタルド峠を越えてTicino(ティチーノ)州に入る通るLeventina谷、Dazio Grandeの西側まではまあまあの広さがありますが、Dazio Grandeの東で両側から山が迫ってきます。南側の山がMonte Piottino、山の間の隙間がGola del Monte Piottino(峡谷)。この峡谷をどう通るか昔から皆苦闘。峡谷を迂回する道(所要時間3時間)に対し、1350年 ミラノの豪商連がMonte Piottinoを通るStrada Romana道を開通させ、Dazio Vecchioが建設。(地図のオレンジ細線のハイキング道)。ここよりずっと南のミラノの商人にとっても、ここを安全に楽に通る事は貿易のため彼らの利益に直結していたので。通過に要する時間は2時間に短縮!

更には1561年、Mulattiera Urana(Uriがつくったラバ道)開通。Gola del Monte Piottino(Piottino峡谷)からPonte di Mezzo(橋)を通り、1時間半で通過可能になり、峡谷の入り口にDazio Grande建設。当時Ticinoを統治(占領)していたゴッタルド峠の北側のUri州の人達が、上り下りしないで済む幅広の道を通しましたーーーそこを今日は通ります

泊ってたDazio Grandeの部屋からの眺め。高速道路と線路が見えます。ここまでは幅広の谷で余裕しゃくしゃく。

Dazio Grandeを出発してすぐ。線路はトンネルの中に入ります。

Viadotto(高架橋) del Dazio。

車道から一旦下に下り、川に架けられた車道と鉄道用の橋を下から眺めたところ。この川はここから西側のDazio Grandeの前にかけて、短い区間ですが下に潜っています。1977年に高速道路が建設された際の工事で部分的に暗渠化。

車道の下の徒歩道も川を渡り、

車道に沿う道を緩やかに下りていきます。

振り返ってみた所。赤白のバーで通行止めになっている場所は改修工事中、

去年はこのように工事中でしたが、コースを示す案内板はちゃんとついていました。

横に古そうな橋がありますが、これじゃなくて横にある橋で川を渡りました

歩行と写真は2023年7月下旬

Dazio Grande:https://daziogrande.ch

https://www.ticino.ch/en/commons/details/Dazio-Grande/3066.html

Wikipediaで知るPiottino峡谷の通行について:

https://de.wikipedia.org/wiki/Piottino-Schlucht

現地にある説明パネルと同じものがこちらで見られます:

https://www.golapiottino.ch/de/

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