スイスで働く人々

スイスの人口はこの150年間で3倍に。1960年代の500万人から800万人を超え、2024年中に900万人を超えるのは確実のよう。
出生率は低いが、何といっても移民が多い。一昔前はスイスで外国人が働くのは大変だったそうだけど、シェンジェン条約に加盟してからは加盟国(ヨーロッパの多くの国々)のパスポートを持っていればスイスで自由に働ける、住めるということになっている。

Portalban 学校 2022年6月

今では人口の4分の1が「外国人」、つまりスイス国籍を持たない人。しかも元々は外国出身だがスイス国籍を取得する人も多いから、4分の3の「スイス国籍を持つ人」のうち、祖父母以前の代からスイスで暮らしてる人の割合はもっとずっと少ない。
そもそも山岳地帯のわずかな隙間の平地に人口が集中していることから、住宅難など移民難民の増加から来る人口増加に伴うを問題も山積みだが、移民無しでは社会が回らないのも事実。

Cheyresの学校

普段接している人達がどこの国から来ているのかについて、私はあまり意識していない、というか、分からない。フランス、イタリア、ドイツ辺りから来ているのか、またはバルカン半島から、もっと遠くの中東からなのか?ヨーロッパの人達にとってアジア系の顔は全部同じに見えるらしいのと同じで、私は彫りの深い顔立ちの人達の顔の識別が苦手。

Cheyresの学校の隣には共同パン窯 月に一度共同でパン焼き日だった地域も多い 2022年5月

相手がどこの国出身なのか分かりやすいのは、名字が明記されてる医療機関で働く人々なのだけど、今までお世話になったお医者さん、ほとんどがスイスじゃなさそうな名字だったな。「移民」労働者というと、言葉がそれほど分からなくても働ける職場で働く人かと思いがちかもしれないけれど、現在のスイスでは医者から介護士、銀行のトップからエンジニア、大学教授からバスの運転手まで万遍なく外国姓、いろんな顔の人が働いている。

Palezieux villageの学校施設 2022年5月

何と、外国籍でも学校の先生とか公務員として正式に働ける。言語能力、職務能力に問題がなければ外国籍でも採用してくれる。機密保護という点で大丈夫なのかと思うけど、知人の外国人はスイスの省庁のデータ管理で働いてたし。超有能な人だと大手の金融や保険業界を次から次へと渡り歩くことも可能で、そのうち一定割合は産業スパイなんじゃないのか?と時々それでいいのか?と思うけど、スイス経済は回っている。そして世界中からスイスのお給料目指して人は押し寄せる。

St-Triphon

スイスにイタリア人が大勢働きに来て150年、という展示が数年前にあって見に行った。鉄道・トンネル・建物の建設に、ひどい待遇の中で担ったのは彼らだった。1960年代、当時世界最大だったDixenダムの建設現場の労働者の96%がイタリア人で、スイス人は3%のみ、というテレビ番組を先日観た。

St-Triphon 小学校と書いてある

昔のイタリアでは子供の数が多くて仕事がなくて口減らしに来ていたそうだ。今のイタリアはヨーロッパでも有数の少子国でスイスに来るのは超優秀な知的労働者。人手不足の日本でスイスと同じようにできるとは思えない。日本で働く上で、日本語は壁でもあるし、日本語によって日本の労働市場は守られているともいえる。

参考:スイスの人口についての記事いくつか(今回は全部日本語記事)

スイス連邦のサイトから:

https://www.eda.admin.ch/aboutswitzerland/ja/home/gesellschaft/bevoelkerung/die-bevoelkerung—fakten-und-zahlen.html

Swissinfo.chから「150年間で人口3倍、高齢化が進むスイス

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