ようやく今週から雨マークが続き、気温も下がってきました。観測史上最も乾燥していた2022年のスイス(&ヨーロッパ)の夏。
以前Jura山地(ここは特に雨が降らなかった)での茶色く枯れた牧草地の写真を載せましたが、では平地(低地)はどうだったかというと、うちの近所などでは景気よく芝生に水をまき、庭のプールに水を張って過ごしていた人も多かったです。
今年の4月からろくにに雨が降っていないというフランスからの客人が、テニスコートに水撒いているのを見てショックを受けてたほど、スイスの都市部の人たちは渇水に対する危機意識が低かった。
それというものの、天水に頼る山間の放牧地帯と違い、うちの周辺の低地の川や湖の水位はほとんど変わっておらず、川や湖から取水した水を存分に使えていたのです。(今朝のニュースでスイスでも別の地域では湖の水位が記録的な低下といってたのでその周辺では状況が違ってたでしょうが)
何しろ暑さで高地の氷河や雪がじゃんじゃん融けて、例年以上にRhone川に流れ込んでいたのです!氷河、本当に融けてます。ゴーゴーと音を立ててとけてます。氷河がどんどん融けてるのは今年に限ったことではないですが、今年はアレッチ氷河で1960年代に墜落した小型飛行機の残骸が表出するなど加速度的に融けてます・・・
夏の怪談になりますが、ヨーロッパの数々の大河がスイスの中央山塊を源流としています。氷河が減って、水源が危うくなると、ヨーロッパの河川の多くが干上がるかもしれないんですけど・・・
さて前述のJura山脈などでは、牛さんたちが放牧に上がって夏を過ごすのですが、草は枯れているし飲み水さえ不足する状態なので予定を早めて8月上旬で麓に下りた所もでたそうです。例年なら9月末くらいに牛を派手に飾り付けて山から下りてくるのを祝うDesalpeの行事も今年は無しです・・・
しかも冬に備えての干し草の量も足りないし、ということで牛さんの一部はドナドナ—市場に運ばれていったそうです。山で作るチーズの量にも影響が出ます。気候変動によるヨーロッパの高温・少雨の夏は今後も頻発するとの予想もあり、いやはや困ったものです(去年は長雨豪雨だったなあ)。
写真は2011、2013,2022年