フリブールとベルン、2つの二言語州

Bern州は広い面積を持ち、独仏二つの言葉が公用語ですが、まず1979年にカトリック・フランス語話者が大勢を占める州の北西部のJuraが長い闘争の末Bernから独立して新しい州となりました

ベルン州立銀行のロゴはBEKB(独)とBCBE(仏)と常に2言語表記。フリブールやヴァレーの州立銀行はその場所が独仏どちらかで一方の表記になっている気がする

2021年の3月にはやはり長くて激しい論争の末、Moutierという町もBern州からJura州への帰属変更を決めました。これ以上そのような状況が続くとBern州内でのフランス語話者がますますの少数派になってしまうという危機感がBiel、もといBienneを始めとするBern州のフランス語話者にはあります。

フリブールの工事お知らせ看板。ここは完全にフランス語圏でしたが、公共工事だったのかな?まあ内容は予想がつきますけどね

フリブール州も2言語州。州都のFribourg / Freiburgの駅表示板も2言語表記です。もっともFribourg市内はフランス語圏、言語境界線に当たる川がすぐそばを流れています。

Fribourg州の州都Fribourg。蛇行している川がLa Sarine/Saane

市内の幼稚園に子供を通わせていた知人によると、幼稚園ではフランス語に加えて標準ドイツ語とスイスドイツ語での会話も習うそうです。

言語境界線でもあるSarine(仏)/Saane(独)川、Fribourg近く

Bern州ではフランス語派は圧倒的な少数派だけど、Fribourg州ではフランス語が7割弱、ドイツ語が3割弱。Bern州とFribourg州は独仏話者の関係がちょっと違い、Fribourgでは両言語に堪能な人が多い印象があるけどどうかなあ。

川にかかる橋 長い

もう一つの2言語州、南部のVallais/Wallis州はこれまた別で、地勢的に細長い形の州の真ん中あたりで独仏圏がスパッと切れていて、東側のドイツ語圏はスイスドイツ語自体が他の地域ともかなり違っていて、ここだけは閉鎖的な面が相当あるらしい。

一枚目の地図を拡大したのが上の地図。両地図とも、Sarine川を挟んで西にフランス語風の地名、東にドイツ語風の地名が見られます。

その昔隠者がこもっていた洞窟Magdalena Einsiedelei

フランス語圏内に当たるFribourg駅から一駅、各駅なら数駅のDüdingenはドイツ語圏。ここから川沿いをハイキング道が通っています。

Magdalena Einsiedelei

2枚目の地図の橋の左上、橋の手前にMagdalenaholz Einsiedeleiというその昔、隠遁者が掘った洞窟があります。

洞窟からの川

洞窟から見えるのもSarine川。フランス語圏ではドイツ語圏(全般)のことをOutre Sarine Sarine川の向こう側とも呼びます。日本でもいう「川向う」ですね。

Fribourgの街

Fribourg/Freiburg公式観光サイト。同名の町がドイツにもありますがこちらはスイス:

https://www.fribourgtourisme.ch/en/

Magdalena Einsiedelei:

https://www.fribourgtourisme.ch/en/P15411/madeleine-hermitage

写真は2018年5月

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