Via Gottardo(25)3本のトンネル

https://images0.schweizmobil.ch/files/wl_7.pdf から二つの図を貼り合わせた 注意!KM表示の数字は地名間の距離ではなく、トレイルで実際に歩く距離。よってトンネルの長さとはズレがあります!

上の図はロングトレイルVia Gottardoの公式サイトから見られる”Height Profile”、トレイルの標高を表しています。注意!水平軸のKM表示は地名間の距離ではなく、トレイルを歩いた際の距離。よってトンネルの長さとはズレがあります!

https://images0.schweizmobil.ch/files/wl_7.pdfに加筆 短い方のGoschenen-Airolo間の鉄道トンネルは15㎞、長いほうのErstfeldとBoido間のトンネルが57㎞。

2019年現在、ゴッタルド山塊を貫くトンネルは3本あります。1882年に開通した鉄道Gotthardbahnはループなどで高度を稼いで来ましたが(ラックなしの普通車両!)Göschenenからは遂に大トンネルに入ります。1872~1881年にかけて建設されたGotthard Bahn tunnel(独)/Galleria ferroviaria del San Gottardo(伊)は15㎞で建設された当時は世界最長。Göschenenの入り口が標高1106mで反対側のAiroloが1142m。山塊のピークが2108mなので最深部では1000m下を掘ってたわけです。現在の車両は11分で駆け抜けますが昔はこの長さを蒸気機関車が煙モクモクで走ってたとは。1920年から電化されました。

Basisトンネルの工事をしていた時には何か所か資料説明センターがありました。巨額の税金投入してるので説明の必要もあってか。2014年にBiasca近くの資料館。

GöschenenとAirolo間にはもう一つ、車用のトンネルが別にあります。Gotthard Strassentunnel(独)/Galleria stradale des San Gottardo(伊)16.9kmです。このトンネルが出来たのは1980年で鉄道トンネルのほぼ100年後。2000年までは世界最長、現在でも世界4位の長さです。通っているのは高速道路A2、A2といえばBaselからChiassoまでスイスの北西から南の端まで縦断していて、Via Gottardoのトレイルとほぼ同じ行程です。高速道路ができるまでの道のりはなかなか長かった!1958年の国民投票で可決されてから議会での承認を得て1970年にトンネルの建設が始まり、10年の歳月をかけて開通。鉄道トンネル掘削から100年経っていても、トンネル工事はとても長い時間がかかります。

ゴッタルドルート以外にも多くの候補ルートがあった。https://www.alptransit-portal.ch/en/overview/planning/events/ereignis/the-tunnel-plan/true/より

そして3本目。GotthardbasistunnelはErstfeldからBiascaの北にあるBodioまでの57㎞。図でわかるように、Basistunnelの方は、Baselからの列車が山登りをすることなく、重量車両がスピードを落とさずに高速度で駆け抜けられるわけです。このトンネルはEU諸国からのアルプス横断交通路の増強要請に応えて造られました。一本目のトンネル同様、このゴッタルドルートだけでなく他のルート案もあり、長い長い長い話し合いと国民投票と議会の承認の末、建設が始まりました。もし、その長い道のりに興味がある方は是非こちらをどうぞ。Alptransit-portal:英語で読めます。また鉄道ではなく既存の高速道路の拡張増強の案もあったのですが、あの狭い谷に更に車を増やしたらどうなるか?沿線の町は排気ガスで大変なことになったことでしょう。まあ、高速道路にしてもトンネルにしても、それらが町に与えるインパクトは大変なものがあります。1999年から始まった17年間の工事の末、2016年から運用が始まりました。一般に先立つ一番列車でスイス+独仏伊の首脳4人がボックス席で乾杯しながら談笑している写真が大きく披露され、このトンネルがスイス国内だけでなく、ヨーロッパ(少なくともドイツとイタリアの)全体の交通のスピードアップに貢献することが喧伝されました。

雨降ってたので歩く代わりに資料館に行ったのでした。(2014年と昔の話です)

さて、今のところトンネルは3本ですが、将来的にはもう一本掘られる予定です。国を二分した議論の末(またかよ、と思われるでしょうが)、2016年の国民投票により二本目の車用トンネルが57%の賛成で承認されました。2020年から工事が始まり2026年の完成予定。古いほうのトンネルは改修して2030年までには新旧それぞれが片側一車線の走行になるそうです。

資料館内部の展示。ほとんどはドイツ語かイタリア語でしたわ。(2014と昔の話です)

鉄道トンネルの見学ツアーがあります。Gotthard Tunnel-Erlebnis: Erstfeld駅集合、最小催行人数が6人以上だけど9時半と13時半の一日2回、2時間で一人23CHF。歩きやすい靴とそれなりの体力が必要 。言語はドイツ語のほかに英語での説明との記述がありますが、人数的にドイツ語でしか対応してないことが多いですのでそのあたりは覚悟が必要です:http://www.museen-uri.ch/Gotthardtunnel-experience-in-Amsteg.123.0.html?&L=0

https://www.tunnel-erlebnis.ch/de/

BasisトンネルのおおもとAlptransitのサイト。歴史とか情報が英語でも読めます。

https://www.alptransit.ch/en/home/

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