スイスの若者の就職事情(11)給与額がわからない

Collège de Montoie 1948~1951築 広い緑の敷地に二階建て、三階建ての建物が複数あります

求人票やインターネット上の求人広告には雇用者名、職種、前回の記事で書いたように%で示された週当たりの勤務時間、仕事内容、必要な能力等が表示されていますが、給料額が書いてない!

Collège de Montoie 1948-1951 冒頭の写真もここです

日本ではコンビニの店先でのアルバイト募集でも時給が○○円~と明示されてますね。いくらもらえるか、大体でもいいから知りたいところですが、スイスの場合、これが表示されていることはほぼないです。

Collège des Figuiers 1968年築

給与額が告げられるのは面接の際で、前の職場での給与額(以前の給与証明の提示を求められることも)、以前の職場での評価(つまり能力)、経験年数、資格の有無などが考慮されて決められるようです。そういえば、今のところ求人の空きはないけど応募するならどうぞ~な職に応募したとき、履歴書や志望動機書の送付に加えて「希望する給与」を記入する必要がありました。

Collège de Cour 1883築 道路に面した側

初めての場合には職種により初心者がもらえる大体の金額が決まっているので(初心者の参考時給は職業訓練を受けた学校や講座で教えてくれる)それに希望する勤務時間を掛けて書いておけばいいそうです。そういうわけで、同僚がいくらもらっているかを知っていることはあまりないようです。日本のように新入社員がそろって4月から働き始めるわけでなし、バラバラな経歴でバラバラな給料の人がバラバラな時期に職場に参入してきます。

Collège de Cour 1883築 中庭から見たところ

この秘匿性・不透明性には問題もあり、同じ仕事をしていても男性と女性では給与額が異なることが多々あるそうです。雇用されるチャンスが男女で異なるというのは理由がないわけでもないですが(それをよしとしているわけではないが)、性差が理由で同じ仕事に対する給与額に差をつけるというのはいかがなものか。スイスは割と男女の不平等があるんですよ。例えばその昔、スイス男と結婚した外国人女は無条件でスイス国籍がもらえた(過去です)が、スイス女と結婚した外国人男はスイス国籍を申請して審査の末にしかもらえませんでした。

Collège de la Crois d’Ouchy 1895 以前お見せしたCollege de Beaulieuと似てますが、Beaulieuは1893年とこの時代のスタイル。

また結婚していないカップルや離婚した夫婦の子供の名字は以前は自動的に男性側の名字になったそうです。また結婚後の夫婦別姓は問題ないですが、それぞれの苗字を並べる順番、間にハイフンをつけるとか、今年に入ってからまた決まりが変わりましたが。今年の6月14日には大規模な「女性のストライキ」が予定されてますが、どうなることやら。

Collège de la Crois d’Ouchy 1895年に建てられた本館と中庭を挟んで新しめの建物、たぶん体育館。工事しているのは道路

参考までに、とある求人広告(実在)を翻訳しておきます:

会社名、所在地、こんなことをしている会社ですの説明のあと、人員増強のために、会計補佐員(50~60%)を1名募集します。

仕事内容:会計業務(詳しくあれこれ書いてあるが略)

条件:商業・会計業務のCFC (国家資格)を取得後、何年か会計業務での職業経験があること

仕事と並行してHEG(高等専門学校)に通うのも可(50~60%、つまり週2.5~3日の勤務だから)

パソコン技能は必須

英語ができればさらに良し

求められる性格:自主性、手際が良くて、正確で、真面目 (以上!)

5月3日 花の名がわからない

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