スイスにおけるコロナウィルス(3月14日)

皆さんもご存じの通り、コロナウィルスの感染者数が現在ヨーロッパ各国でものすごい勢いで増え続けています。スイスの場合、3月14日午前10時半の時点で感染者数1300人以上、死亡13名。最初の感染者が確認されたのが2月25日。ここ一週間で300、500、800、1000人、たった一日で状況がどんどん変わってきています。現在は軽い症状の人は病院に来ないで家で安静にするようにとのお達し。ウィルスに感染しているかどうかの検査も重症者のみになるようです。

3月12日午前にはこれからが佳境のアイスホッケー全試合が中止、今シーズンの終了が発表されました。プレイオフも一部リーグ入りをかけた試合も無し。ファン、選手、関係者のショック、各チームの金銭的損失は計り知れませんが「スポーツより大事なことが存在すると悟った」というのが責任者の言葉。他のスポーツもシーズンがほぼ強制終了。

3月13日には月曜から全ての学校の休校(その間の子供の面倒はだれが見るのかというのはやはり課題)が決まり、それまで1000人以上とされていたイベントの禁止が100人以上となり、美術館やスポーツ施設の閉鎖が定められました。これが発表された昨日の午後から本格的な食料品など生活物資の買い込みも見られるようになりました。スーパーがある付近では、歩いてる人ほぼ全員が大きな紙袋を下げトイレットペーパーを抱えてるんだもの、震えが来ました。まあ、こちらではお客様は普段から神様ではないので声を荒げて店員に詰め寄ることはなく、売り切れちゃって無ければ無いで、呆然としつつも黙って何か他の商品を探す感じでした。昨日は本当に人が大勢いるのに不気味な静けさでした。相当異様な雰囲気の中、黙々と商品の補充を続けている店員さんには頭が下がりました。私は日本での状況を知っていたので少しずつ色々買い揃えていたのですが、それでもいざ焦りが渦巻いているような雰囲気の店内に入ると何かないかと買っちゃいましたね。

だいぶ前から握手の自粛も要請されています。本当に世界がガクンと大きく変わってしまった。ハグやお互いの頬を合わせながらチュッチュッと音を立てる(スイスは3回)、これをしてるとアジア顔100%の私でも受け入れられていると感じられるそんな人間関係にはとても重要な挨拶でした。これが無くなった最初はものすごく変な感じでした。

スイスでの感染者の増加。イタリアのお隣。一週間前まで国境なかったし・・・地続きってこういうことか。私が日頃書いている、スイスはイタリアへの通り道。イタリアの惨状がイタリアで留まるわけなかった。3月14日、イタリアに隣接するTicino州でも生活必需品と薬の店以外の全ての店舗とレストランの閉鎖が決定。

ヨーロッパは伝染病の蔓延に備えていなかった。ヨーロッパでこうなるとは思ってなかった。乾燥しているからか、日本に比べると普段は除菌の概念が少ないところがある。風呂場とか普通に拭いてればカビ生えないもの。コロナウィルスはカビ菌とは違う。ヨーロッパは甘く見ていたところがあるかもしれない。

救いは「この時期に○○に行くなんて」と感染者の行動が伝えられてネット上その他で叩かれるのが無いことかも。日本にいる知人は、コロナで死ぬのは構わないけど○○県で最初の感染者になってご近所に迷惑かかるのが怖いと言っていた。イタリアをはじめとする近隣諸国の関係が本当に密なので彼らと接するのが特別のことではないし、シェンゲン条約が結ばれて国境が無くなってた時点でイタリアもその他の国もある意味区別がなかった。

スイスにおいてはイタリアに祖先や関連を持つ人の割合が本当に多いし。だからイタリアに対する排除の気持ちは無い、というか不可能。イタリアの医療機関が弱体していたのはお気の毒であった。知り合いで高齢の肉親がイタリアにいる人のことを思うと心が痛む。(今コロナ以外でも病気になると、病院が満杯なので高齢者は「死」につながってしまう)しかしこうなってくるとスイスもどこまで持ちこたえられるのかわからない。

3月15日午前0時より、フランスでは生活必需品以外の店の閉店を決めました。オーストリアも同様の移動制限策をとるようです。スイスがこれに続くのは確実です。

写真の桜は3月13,14日、ローザンヌで。春なのに。来年の春は心穏やかでありますようにと切実に思う。

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