2018年 サッカー ロシアW杯予選の話

先週に続いてサッカーの話です。

2018年のロシアW杯、イタリアが60年ぶりに出場を逃す、という”事件”がありましたが、ヨーロッパ予選は組み合わせの運不運が大きいですね。ヨーロッパ予選は、まず48か国が6チームずつ、8グループに分かれます。グループ内では総当たり戦、一年余りをかけてそれぞれの国が10回試合をして順位を決めます。グループ一位の8か国がまず出場を決めます。

次に二位だった8か国が、くじ引きで4つに分かれ、二か国がホーム&アウェイ、わずか二試合の結果により片方が出場!もう一方が落選。この二試合はしかも中二日の短期決戦。この二次予選のことを特にmatch de barrageと呼びます。barrageはダムや通行止めの柵のことですが、本選出場のために乗り越えなければならない「壁」の意味で「決定戦」のことをこう言い表します。

イタリアは、一次予選でスペインと同組で二位、二次予選で対スウェーデンを引き当てたのが痛かった。実は一次予選でフランス、スウェーデン、オランダが同じグループ!フランスが一位で通過、スウェーデンとオランダが勝ち点で並び、得失点差でオランダが3位に沈み、一次予選で敗退。イタリアはそのスウェーデンに負けたわけです。

その点スイスは幸運なグループに入っていたといえましょう。一次予選の最初の試合は一か月半前にEURO、ヨーロッパ選手権悲願の優勝を遂げたポルトガルが相手で、ほとんどだれも期待していなかったのが良かったのか、勝っちゃったんですね、2-0で。ま、ポルトガルのスター、ロナウドが出てなかったんですけど。その後、ハンガリー、フェロー諸島、アンドラ、リトアニア、とハンガリーはともかく、明らかに格下の国相手に得点が少ないながらも勝利を重ねていきました。一方のポルトガルは初戦の負け以降は見違えたようにゴールを量産、このまま最終戦でスイスがポルトガルに負けた場合、勝ち点で並ばれると得失点差では絶対に負けるだろうなあ、と思ってたらその通りになり、でも何とか二位でbarrageでのW杯出場に望みをつないだわけです。

そして11月9日ベルファストでの北アイルランド戦はPKでの勝利。スイスの報道でさえもが驚いた、北アイルランドの、ハンドというより肩にボールが当たったともいえる反則に対し、審判が寛大にも与えたPKをそれでもきっちり決めて虎の子の一点。12日の二戦目は雨によるベタベタの走りにくそうなピッチでの0-0引き分けで出場を決めたのでした。直後の選手たちでさえ、「あんまりいい試合だったとは言えないけど、勝ちは勝ちでWカップに出場を決めたことが大きい」と言ってました・・・

悲喜こもごも、運も実力のうち、というにはあまりに厳しいヨーロッパ予選ですが、ロシアW杯にはアイスランドが初出場します。人口なんと30万人!苗字が無くて、たとえば太郎君のお父さんが一郎さんだとすると、フルネームは太郎・一郎の息子、Taro Ichirosonのようになります。出場選手の苗字は多分すべて「○○son」となってますよ。アイスランドは2016年のヨーロッパ選手権に初出場して、初戦のポルトガル相手に引き分けに持ち込むなどして決勝リーグに進み、旋風を起こしました。また、国歌がアリアのようで美しいです。試合後には選手と観客が一体となって手拍子みたいなのをします。

さて、ヨーロッパのチームの中には、実にいろんな顔つきの選手がいます。スイスチーム、そしてスイスという国自体も色々な出身の地の祖先をもつ人々で構成されています。今のチームには旧ユーゴスラヴィアに起源をもつ選手が数多く見受けられます。1990年初めからのユーゴ紛争により、この地からスイスにも多くの人たちが移り住み、彼らの子供の世代が今選手となっているのですね。彼らのプロフィールを見ると、マケドニア出身のアルバニア人とか、コソボ出身のアルバニア人とか、ボスニア出身のアルバニア人とか(アルバニア人多いなあ)あって、ユーゴスラヴィアとして存在していた国の姿の一端がうかがえます。

そして現在、ヨーロッパの国々のほとんどは複数の国籍の所持を認めているのでスイスと別の国の複数の国籍を持っている選手もまた多いです。2016年のヨーロッパ選手権ではスイスとアルバニアの二つの国籍を持つ兄弟選手が、それぞれスイスとアルバニアに分かれて戦った(スイスとアルバニアは同じグループだったので)、ということもありました。現スイスの監督は3つの国籍を持ってるんですよね。

それでは国籍の取得というのはそんなに簡単なのかというと、婚姻による取得以外は、新たな国籍の取得というのは今どきはどこの国も相当厳しいです。ただ長く住んでいるだけでは認められず、その地の言語が流暢に話せること、国の地理や歴史に精通していること、地域経済に貢献しているなどの条件があります。代表選手になるくらいの能力があれば、確かに経済に貢献してますね。

あとスポーツの一流選手ともなると、小さいころから才能を発揮して国内を駆け回ってるのか、本当に複数の言語を流暢にに操るのには感心します。スイスの場合、同じような質問を各国語の放送局から、繰り返し聞かれているだろうに、それでもそれぞれの言語でちゃんと答えていて偉いなあと時々思います。勝った時はいいけど負けたときは嫌になりそう。

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