政治の話を少し

スイスの行政の最高位に位置するのがConseil fédéral(仏)/Bundesräte(独)とそれを形成する7名の閣僚(連邦参事)―Conseiller fédéral(仏)/Mitlieder(独)。7名の内訳は右派保守のSVP/UDC(独/仏)から2名、右派FDP/PLRから2名、中道CVP/PDCから1名、左派SP/PSから2名と固定されています。PDCとPLRから一名ずつの辞任の申し出があってから、12月5日に議員による投票があった12月5日までの数か月間、ありとあらゆるメディアが、まずは候補者の予想、彼らの経歴から資質(語学力は大事)、出身地等々についての身辺情報を延々と報道していました。(これは毎度のこと)

丸天井のステンドグラスには、スイス国旗をカントン(州)の印が取り囲む

行政は7人の合議による、とはいっても素案を出したりイニシアティブをとったり最終決定権などは各部門を担当する閣僚にあるので(自分の担当外の議題を提議することも可)、それぞれが所属する政党の方針に沿った閣僚が外交とか経済などの、どの部門を担当するかは大きな意味を持ちます。

この閣僚はお飾り的な存在どころではありません。多くが40代か50代で任命され(35歳でなった例もあるし、60代での任命もある)、大抵は50代か60代で去っていく。まあ、辞任後は年齢にかかわらず年金がたっぷりともらえるし、どこかのトップに収まることもできる、というのも理由にありますが、国民の側も高額な年金はともかく、「特殊で大変な仕事なので早い年齢で辞めても仕方がない、もしくはあまり長居をしないで辞めるべき」と思っている節があります。今回任命された女性二人は共に50代、これで7名中3名が女性となりました。スイスを取り巻く環境は難題続き、これからの数年間をスイスが世界の中で、どうかじ取りをするかで将来の国の行く末が決まるから、有能(そう)な人が選ばれてよかった、とあるスイス人が言ってるのを聞き、あ、国の未来って政治家、特に政治家のトップの資質によるんだ!民間や庶民、草の根の頑張りも大切だけど、それだけじゃどうにもならないことも沢山あるし・・・

投票は午前中に行われ、朝7時よりラジオもテレビも(すべてのチャンネルが、ではないけれど)生中継しっぱなし。他のニュースは一切なし、天気予報も交通情報も無しでした(テレビではテロップでトランプがどうした、とかサッカーの結果とか流してたけど)。今回は一回目の投票ですんなり決まって早かったけれど、お昼過ぎまで持ち越された時もあったんですよね。それまでも決まるまで延々、しゃべりっぱなしで放送してました。そして固唾をのんで観続けている視聴者も。議会が始まるのは朝の8時。基本的にここの人は朝が早いです。

議事堂の中

連邦議事堂(兼省庁のオフィス)はベルンにあります。ベルンの町自体が丘の上にあり、議事堂裏の外テラスは誰でも、多分何時でも!入れます。外テラスからの眺めはとても良いです。議事堂の中は、パスポートなどの身分証提示で外国人でも見学できます。あと、議事堂の足元は急な斜面というか崖になってますが、一番下まで下りていくとユースホステルがあります。去年くらいに改装してとてもキレイそうです。周辺の警護という点からはびっくりするような国の最高機関ですね。

Conseil fédéralとそのメンバーについての説明(英語版)スイス連邦政府公式:

https://www.admin.ch/gov/en/start/federal-council/members-of-the-federal-council.html

今日の写真は、Palais fédéral/Bundeshaus の正面と内部、連邦議会議事堂と政府各省庁のオフィスの入った建物。見学等についてはこちら

Palais fédéral/Bundeshausの見学について、議事堂公式サイト(英語)

https://www.parlament.ch/en/services/visiting-the-parliament-building

こちらはベルン観光局公式(英語)

https://www.bern.com/en/detail/house-of-parliament

RTSの特集記事、”Palais fédéralの秘密”(動画あり)(フランス語)

https://www.rts.ch/info/suisse/10040761-lieux-insolites-histoires-meconnues-le-palais-federal-livre-ses-secrets.html

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