Landsgemeinde(2)何を議論するのか

Landsgemeindeでは、どんなことをどのように議論するのでしょうか?

中央にしつらえられた演台。これはLandsgemeindeが終わった後、後片付けの最中に撮りました。

Zaunplatz(別名Landsgemeindeplatz)の中にRingが設けられます。ずらっと並んだ長椅子と、それを楕円形に取り囲むスタンド。こちらは板が渡してあるだけの、広い立席です。中央には、ここばかりは屋根付きの演台がしつらえられます。発言希望者はここに並び、係の人に発言したい内容を伝えて発言の許可を得るそうです。

有権者宅には事前にA4サイズで厚さが1cmはあろうかという冊子が届きます。中をちょっと見たところ、グラフや文字がギッシリ!例年10前後の議題(提案)が議論の対象となりますが、有権者が考えたり判断のもとにするための法令やデータが載ってます。2018年の検討項目についてはこちら。

http://www.landsgemeinde.gl.ch/node/513

この日は大入り。立ち席の端まで人がいっぱい。その外側に見学者スペース。写真で大きく映ってるのは見学者。見学者とRingとの間にはスペースがあります。お、左端に子供もいますね。

来年度の予算案など、議題の大部分は行政側からですが、市民の側からも議題の提案は可能です。例えば今年は市民の側から「自転車道の整備、○○フランの予算で、○○年以内に何とかするように」が提案されました。近年は電動自転車が相当普及してきていて、これがまた思いの外スピードが出るものだから、車と歩行者の両方としばしばトラブルになってきているからです。

中央の屋根付き演台

議題に対しては、まず初めにこの議題を今日議論すべきかどうかの賛否を問います。一度否決されてしまうと、同じ提案をまた来年!というわけにはいかないからです。良さそうな提案だけど、今はまだ時期尚早だとか、考え方は素晴らしいけど、もっと練った方が可決させる可能性が高まりそう、今のままだと弱いなあ、などと判断したら、その提案を先送りにするのも一手です。そうすれば「否決」として却下されることはありません。

広場を取り囲んでいる家々の窓からも人が見てます。手前の人たちは私の前に立ってる見学者。

さて意思表示。投票用紙(というのかな?裏に議題も載っている)、今年は紫色、が会場の入場票にも掲示票にもなります。Ja(賛成)の場合は掲げます。私は日本野鳥の会のようなのが出てきて数えるのかと思ったら議長の目視で判断!!!競っていて判断が難しい場合には・・・会場を4つに分けて4人の審判がそれぞれ判断(やっぱり目視)。その総合判断。そんなんでいいのか?いいみたいですよ。

私は見学者ゾーンから見ているのですが、右側の柵と警官がチェックしている有権者の入場口。途中の入退場自由

自転車道の件は否決されてしまいましたが、他には例えば、「既存のロープウェー、ケーブルカー、リフトなどの整備、リニューアルを州の予算○○フランかけて行うこと」についての是非。州内のスキー場などに備わってるこれらの施設が老朽化しているのを放っておくと、後々じわじわと問題になってくるのです。すべての人が観光に携わっているわけではないけれど、州の活性化とか経済に悪影響を及ぼすよなあ、と人々が判断して、予算金額の修正を経て可決されました。提示された予算額やいついつまでに、との期限年数などについても議論して、いちいち賛否を採ります。最終的には改正案の是非を問うことになります。というわけで、会期中は、頻繁に採決を採ります。

後片付け中。高齢者用のベンチ席があり、それを取り囲むように立ち席。

これらの様子はラジオで生中継、録画したものがテレビ放映されます。後述するように、全有権者のうち、当日参加する人は必ずしも多くありませんが、参加できない人も、Glarus在住者以外でも、その日のやり取りを観たり聞いたりすることが出来ます。

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