スイスの政治(5)12月7日 新しい閣僚を決める全議員による投票

さてさて いよいよ 決戦の日12月7日 Conseil fédéral=閣僚(連邦参事)を決める投票日がやってきました。朝からテレビ・ラジオは特別番組。スイスフランス語放送RTSは朝7時半からノンストップで、結果として4時間!他のニュースは何一つ伝えずにこれだけ放映していました。実は前日はサッカーW杯でスイス代表がボロ負けしてましたが、お陰でそのニュースはほんの少~しだけ。

8時 最初は退任する二人について、経歴や在任中の業績の紹介、お疲れ様の演説。続いて本人からの挨拶、花束贈呈。今回退任する二人はSVP/UDC(スイス国民党 保守)とSP/PS(社会民主党 革新)という党方針が真逆の党の二人。SP/PSのSommaruga氏は演説の中でMaurer氏に対し、「貴方と同じ日に退任するなんて。貴方とは時には対立し、議論しましたね」と、それでも感謝の意を伝えていました。二人の演説は複数の言語を交えてのものです。また議長はグラウビュンデン州ロマンシュ語圏の話し手なので、独仏伊語に加えてロマンシュ語も時折混じるこの日の議会でありました。

議事堂の中

二人が退場すると、8時45分頃からはSVP/UDC側から、二人の候補者の経歴紹介。国民議会200名全州議会46人の全議員、つまりSVP/UDCだけではなく全ての党の全ての議員(この日は1名の欠席があり、全投票数は245だった)に対し投票用紙が配られます。係員が回収して丸テーブルを囲んで数える人が待っている別室に持っていきます(扉を閉めるところまでテレビカメラが入る)。

待つこと約20分。この間、議場外のスペースではテレビ局のアナウンサーと投票に参加したばかりの議員を含む4~5人が、あれこれ意見を述べ合っていたので番組ではひたすら話が続くという賑やかな放映・・・やはり皆さんよくしゃべる。緑の党の一人は、緑の党として退任に従い生じた空席を狙うこともできたのだけど~~~現在は7人の連邦参事の枠に割り当てがない緑の党としては、こうした機会が狙い目だったのですが今回は断念。前向きの退転だそうです、、、緑の党としては、自分たちと全く違う価値観の保守派の人たち(しかも一人は石油産業と車のロビイスト)から選ぶわけだが、それがスイスのシステムだから、そのシステムの中で勝負に参加する、というようなことを言ってました。

9時過ぎ 投票結果発表。一回目の投票でRösti氏が過半数を大きく上回る131票を取って当選。さてSVP/UDC党からの候補者紹介の際、この二人のどちらに投票してね、とお願いしてました。投票用紙は前もって書いてある名前の中からチェックを入れるなどして選ぶ方式ではなく、自分で名前を書く方式で、党の推薦候補ではない、他の誰の名前を書いてもOKなのです。実際「その他」が14票ありました。公認候補以外への投票、今回は影響がありませんでしたが、実は次のSP/PSの投票で波乱が、、、(次回)

二人の候補者は議場で投票結果の発表を待ちます。議場の上の一般見学席には家族などの近親者も詰めかける中、テレビは発表の瞬間の勝者と、残酷にも敗者のガッカリ表情をも映し出します。勝者は歓声とともに近くの人と抱き合い、すぐに当選挨拶。職への決意とともに、最後は地元の人達、家族への感謝でしめる・・・

連邦内閣について、連邦政府公式サイトから日本語の説明があった!

https://www.eda.admin.ch/aboutswitzerland/ja/home/politik-geschichte/politisches-system/bundesrat.html

スイスフランス語放送RTSの、12月7日朝7時半からの生放送。フランス語の聞き取りを鍛えたい方はどうぞ。スイスのフランス語はフランスのそれよりは遅めです。

https://www.rts.ch/audio-podcast/2022/audio/emission-speciale-info-25883614.html

RTSのサイトから12月7日の時系列ニュース(一番上に来てるニュースが最新の)

https://www.rts.ch/info/suisse/13594684-la-jurassienne-elisabeth-baumeschneider-cree-la-surprise-en-accedant-au-conseil-federal.html#timeline-anchor-1670398665989

(連邦議事堂の中の写真は2018年撮影)一般人、外国人でも内部の見学可能

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