前回お話しした共用パン焼き窯が多く残っているValais州のパン、Pain de seigle valaisan。ドイツ語だったらWalliser Roggenbrot。Seigleはライ麦で、厳しい気象条件、土地の痩せた山岳地帯でも収穫できるライ麦を使っています。
AOP (Appellation d’origine protégée)、これはスイスの特定の場所で生産された原料のみを使い、その場所特有の産物の認証で、チーズやソーセージが多いです。パンでAOP認証を受けたのはPain de seigle valaisanとFribourgのパンの2種のみ。ライ麦パンは世界中各地にありますが、Pain de seigle valaisanでAOPマークがついてたら、持続可能な農業方式で生産されたライ麦を、その土地で製粉して、その土地のパン屋が焼いて、その土地に住む人が食べる・・・私なんかが食べていいんでしょうか、という疑問もわきますが、訪れた際に巡り合ったのなら食べてみるのも悪くない!
原材料はライ麦粉、水、塩、イースト。クルミやジャガイモを加えた物もありますが、それらにはAOP認証マークは付きません・・・書物に残る一番古い記録は1208年。昔は共同窯で年に2~3回焼かれるだけで(!)長期保存可能。以前グラウビュンデンの博物館でも年に数回焼いたのをずーっと保存して大事に食べるのだと展示していました。ハイジに出てくるピーターのお婆さんが難儀していたのは、こうした硬~いパン。時折日本で「ハイジの白パン」という名称でふっわふわのパンが売ってましたが、よく考えるとハイジの日常にあったのは日持ちのする硬いパン。焼きたてふわふわの白パンは大都市フランクフルト住民の特権。あの話、一時的には柔らかいパンを得られたお婆さんだけれど、その後も継続的にフランクフルトの柔らかパンを送ってもらえたのだろうか、と心配になります。
Pain de seigle valaisanについて、いくつかのサイト:
Swissmilkのサイトでレシピあり

スイスのパンのサイト:

スイス伝統食物のサイト:



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