Grande Salineの開館時間は季節により大きく変わります。また地上階部分は入場料を払えば自由に見学できますが、地階部分は時間指定のガイドツアーに参加して初めて見学可能。
ガイドはフランス語のみですが、7、8月には1日に1回だけ、英語及びドイツ語での回があります。2023年はガイド付きツアーが大人9ユーロ。Arc-et-Senansでの入場チケットを見せれば1ユーロ割引・・・
Salins-les-Bainsの町には3つの塩水源泉があり、最大の2つが公開されているGrande Salineの地下にあります。
塩水は165m地下から、すぐ横のFurieuse川の力を利用して汲み上げられます。
もう一つの塩水源泉は町の北、数百mの所にあり、2017年、跡地に現在の温泉施設Therma Salinaが新築されました。この写真はそこの温泉プールじゃなくて、Grande Salineの地下ですよ。
温泉施設Therma Salinaは、平日は午後2時半からしか開いてなくて、私が歩いてSalins-les-Bainsにたどり着いたのが17時過ぎ、翌日は午前中にGrande Salineを見て夕方には町を離れなければならなかったので、入れなかったーーー
汲み上げた塩水は、地上階に運ばれ巨大な釜で焚かれ、17~18時間かけて水分を蒸発させ塩を結晶化して取り出します。
地上階の構造図:左からRez-de-chausséeは日本での1階部分で、薪をくべて燃やします。1er étage(日本の2階に当たる)では巨大な長方形の釜から塩を掬い、その上の斜めの台で乾燥させて精製します。
下層階、鉄製の杭に塩水を満載させた長方形の窯を載せ、薪を燃し水分を蒸発させます。
周辺にぐるりと上層階部分が取り囲み、
鉄製のお弁当箱のような釜から塩(重い!)をスコップですくって上の斜めになってる台に。
釜と乾燥台。
Jura、Doubs地方ではGrande Saline以外にも数多くの塩鉱山がありました。しかしArc-et-Senansと同様に、塩販売の自由化、交通機関の発達により海水からの塩が簡単に運ばれるようになったことなどから1920年代から閉山が相次ぎました。肉の保存には大量の塩が必要でしたが、冷蔵庫の出現で塩の必要が激減したこともあります。Grande Salineは1962年に操業を停止!1968年から見学が始まり、2009年よりユネスコ世界遺産登録。
内部には展示スペースがあり、塩水輸送パイプラインと塩水の塩濃度等をチェックする装置等がありました。また私が行ったときはパスツール博士についての展示がありました。細菌学のルイ・パスツール博士はジュラ県のDôle生まれの地元っ子で、この辺りにも山登りに来てたそうです。
見学できるGrande Salineのサイト:
https://www.salinesdesalins.com/
https://www.thermes-salins.com/en