ブドウ畑の中を歩く(7)世界で一番小さいブドウ畑

世界で一番小さいブドウ畑Vigne à Farinetはこの部分。世界各地からの石で囲んであるという一角。

面積1.67平方mにFendant、Pinot Noir、Petite Arvineの3本のブドウの木。冬で葉が無く剪定済みなので木が分かりにくいですが、3本の杭の下に3本のブドウの木。この3本から採れたブドウからの数百mlのブドウ酒原液は他の葡萄酒液とブレンドされ、一部はセリにかけられ寄付に回されます。

Amis de Farinet(ファリネ協会)から、ダライ・ラマ(中央の黒い石に名が書かれている)への贈与。この1.67というのはピタゴラスの黄金比の数字だそうです。

この先は立ち入り禁止の部分

周辺には他にも色んな「石」でいっぱい。600㎏の大理石「自由の石」はこの丸いののことかしら。そうそう確認しなかったけど、名前札がついた杭の一本一本の下にはブドウの木があったのかもしれません。葉が無いのでわからなかったー

日本語での説明もあった!「ピタゴラスの黄金数によって測地された地上で一番小さなブドウ畑がある。寛大な心を持った自由のシンボルファリネは~」。黄金比の説明の他には、著名人の平和についての言葉が書かれています。どうか、誰もが穏やかに暮らせる世界に。

「ここに座ってごらん。この石はSalentzeの谷から持ってきたもの。Farinetもこの石に座って警察が来ないか見張ったり谷の美しさを眺めていたに違いない」

地図の上端、Passerelle a Farinet(Farinetの吊り橋)まで歩きます

Farinetは1845年に現在のイタリアはAostaで生まれ、数万枚の偽硬貨を作って貧しい者に配り、Robin des Alpes(アルプスのロビン・フット)とも称された人物。

途中に吊り橋を作った協会のプレート

Ramuzの小説や1938年の映画では脚色されて事実とは違う面もあるそうですが、現実にSaillonで人々に匿われて警察の追っ手を逃れ、最後はSaillonから北西のSalentze(Salentse)の峡谷に隠れ、亡くなっているのを発見されました。

吊り橋(歩道橋)は2001年の完成

小説や映画などでは警察に撃たれたことになってるようですが(私は読んだことないのだ)事実は谷で滑落して亡くなったのではと思われています。

吊り橋から見下ろしたSalentzeの峡谷

Salentzeの谷にはPassage de Farinetというつり橋が2001年に完成しました。

吊り橋の側面の斜面、写真の右にハトのモチーフ

ブドウ畑のモニュメントと同様、Hans Erni氏によるプレートがここにもあります。

鳩だけど、オリーブの小枝ではなくブドウの枝をくわえているのだ!

Saillonの標高が500mくらいなので300mくらいブドウ畑の中を登っていくことになります

Saillonの町から吊り橋までは1時間程度、その先のLeytronの町まで下りていけます。

Farinetのブドウ畑は2022年1月末、吊り橋は2014年2月下旬の訪問と写真

Saillonの観光HPから吊り橋について

https://www.saillon.ch/tourisme/culture/farinet/la-passerelle-%C3%A0-farinet.aspx

Farinetについて

https://www.saillon.ch/tourisme/culture/farinet/vers-la-l%C3%A9gende.aspx#5

Copyrighted Image

error: Content is protected !!
テキストのコピーはできません。