スイスにおける死と葬式と墓(11)LausanneのBois-de-Vaud墓地

この連載もお終いに近づきました。今回はLausanne(ローザンヌ)で一番大きな墓地、Cimetiere du Bois-de-Vaud。現在は墓地周辺まで建物がびっしり。上の地図、実は2つの墓地が緩やかな谷を挟んで隣接しており、

Bois-de-Vaud墓地は左側、広い方で18ヘクタール。真っすぐに伸びる直線の通路と規則正しい区画。

墓地の入り口の門です。東隣のMontoie墓地なら駅からバスで10分のバス停Montoie下車。Bois-de-Vaud墓地へはMontoieを経由するか、MaladiereやMaladiere/Chapelleバス停が直近。ちなみに、墓地から南へ下りていくとレマン湖。以前書いた、Major Davel(ダヴェル将軍)の記念碑がある緑地があります。

入った所に、鉢植え花やグリーンを売ってます。なんと、無人販売所。この建物の横にトイレがあり利用できます。大きな墓地だとトイレがあり便利。

地図でも分かるように、中央に真っすぐな通り。両側にはお墓が並んでるのですが、生垣で見えなくなってます。3月下旬、木の葉が茂るのはまだこれからですが、足元の芝には水仙の蕾が沢山。春~秋までは散歩が楽しいはず。

しばらく行くと、通りの真ん中に大きな池と植え込みが出てきます。噴水風の池はあちこちにありますが、ここのはひと際大きい。奥に立て看板があり、

墓地内マップがあり、

この右手の区画Section9に葬られている「著名人」

日本でも馴染みがあるのはココ・シャネルと近代オリンピックの創始者クーベルタンでしょうか。こちらに著名人の場所リスト

シャネルの墓にはいつも「白い花」が植えられています。この日は流石に冬から春に移ってまだ間もない日で花がイマイチでしたので、以前8月に来た時の写真2枚。墓石には5頭のライオン。そばにはベンチ。

近くにPierre de Coubertin(クーベルタン)の墓。

五輪のマークついてます。そういえば墓地の南、やはり湖畔にはIOCの本部建物。地図上の変わった形の建物ね。

フランス語を学んだ方には聞いたことのある名前でしょうか?Paul Robertは、

フランス語辞書を編纂した人。お世話になりました(今は紙の辞書の出番はあまりありませんが)

昔は教会の数だけ墓地がある状態でしたが、衛生の面から「市外=壁の外」に大きいのを作って管理するようになりました。Lausanneでは19世紀末の人口激増に伴い、1919年に墓地の公募が行われ、Bois-de-Vaud墓地は建築家Alphonse Laverriereが設計し1922年建設・運用開始、1951年完成(長いな!)。Laverriereは亡くなる数か月前の1954年まで設計図を描き続けました。30年以上、設計に関わったという、まさに彼の手による広大な墓地。ちなみにローザンヌ駅やBel-Air Metropoleの高層建物も彼の設計。

生垣で区切られていますが、生垣の全長は40㎞!あちこちに魚も泳ぐ池があります。

2016年よりイスラム教徒専用の区画も出来ました(どこだか分らなかった)。メッカの方角に向けて葬られることができるように他の区画よりも間隔が広いらしい。350基分あるそうです。

写真は2025年3月下旬

Lausanneの公式サイトからCimetiere Bois de Vaudについて:

https://www.lausanne.ch/vie-pratique/nature/parc-promenades/cimetieres/cimetiere-du-bois-de-vaux.html

https://www.lausanne.ch/vie-pratique/prestations-funeraires/inhumations/cimetiere-du-bois-de-vaux.html

Vaud州の日刊紙24heuresでBois-de-Vaud墓地100周年に関して:

https://www.24heures.ch/lausanne-le-mythique-cimetiere-du-bois-de-vaux-a-100-ans-252397492867

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