レインウェアとVia Idra

日本とスイスでの、レインウェアに対する認識の違いについてのお話。

2021年5月 Bexの学校。町の中心部にもあるが、こちらは町の端、ちょっと郊外に入った所にある。スイスの学校は、低学年、高学年で建物を移動することも多い

日本の山歩きで必携とされるレインウェア、スイスの山では必ずしも皆が持ち歩いてるわけじゃない。私が普段歩いているのは公共交通機関からほど近い道がほとんどなこともあり、私自身カッパをカバンに入れることは少ない。普段の街中での防寒対策に使うことも多いカッパではあるが。

2021年 Bexから南へ。ブドウ畑&草地

先日、「Via Idra」という全長100㎞、高度2000m以上を歩きっぱなし、山小屋から山小屋へ、岩場鎖場が連続する中を連日7~8時間以上12日間歩き続けるロングトレイルを、猛者たちがガイドと共に歩く様子をテレビで放映していた。

2021年5月 Bexの近くのChatel

行程中、結構な土砂降りに見舞われていたのだが、20人はいただろう参加者の中には「ハイキング用の」雨具を持っていない人もいた。そしてガイドを含め、誰一人として、レインウェアの「ズボン」を着用する人無し。

Chatelの学校

そういえば私もいつの頃からか、レインウェアの下は持って行かなくなった。日本では「山と渓谷」を毎月愛読して「雨に濡れて風に当たるとものすごく冷えて生死にかかわるからレインウェアはちょっとでも雨が降りだしたらすかさず着用できるよう、ザックの一番上に入れること!」と習った私が、である。上着はともかく、レインウェアのズボンを履いてる人、今までスイスで見たことないかも。そして私の身の回りのハイキング年中やってる人でも、専用のレインウェアを持っていない人もそれなりにいる。あの軽くて薄くて機能性抜群の、雨に特化したレインウェアじゃなくて、もうちょっとゴツイのだけ持っていたりする。

そのまま進んで Lavey Village遠景。Laveyというと、少し離れて温泉施設があるLavey-les-Bainsが有名だけど、Laveyの町も古い(2021年5月)

スイスやヨーロッパの人々が、山に限らず普段の街中でも、雨に対する耐性が日本より遥かに強い印象はある。日本よりずっと雨が少ないこともあるが、女性も年配の人も、ちょっとくらいの雨だと傘を差さないでそのままの人が多い。ちょっとどころじゃなく、土砂降りの中、校外学習の小学生が、元気よく屋外へ駆けっていくのを見た時には目が点になった。まあ、人それぞれで傘さしてる人ももちろんいるけれど。

そのLaveyの学校(現役)

私は25年位前に日本で山登りというものを知り、その頃買ったザックやレインウェアが近頃一斉に、そろそろ寿命かな的状態になってきた。継ぎ目のシールが剝がれてきた。で、スイスのアウトドア店に買いに行ったところ、レインウェアという名ではないけれど、薄手の「防寒具」からゴツイ防水機能付き上着も、色々様々ちゃんとありました。私はあと何年歩けるのだろう?今回買ったら25年後は新調することはないだろうなあ、としみじみ思って買いました。

2021年8月 Sepeyの学校。SepeyはAigleから列車。駅のすぐ近く。

さて「Via Idra」はTicino州の北西部をつなぐロングトレイルで、技術的にも体力的にも相当きつそうです。特集したテレビ放送は、スイス国内だったらPlay Suisseなどで見られます。

Sepey すぐ隣に中学校も兼ねてるのかしら、新しめの学校

2023年には一度Ticinoの山を歩き、泊まらなかったけど「山小屋」でお茶を飲みました。Ticinoの山小屋は大きくて設備の整った所も多いようで、今年は一度くらいは泊まってみたい。

2021年8月 Diablerets

Via Idraについて:

https://www.viaidra.ch/

https://www.ticino.ch/en/hike/details/Via-Alta-Idra/59559467.html

https://de.wikipedia.org/wiki/Via_Alta_Idra

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