スイスにおける健康保険料の高騰(前)

昨年9月30日の発表を受けて以来、スイス住民の間での話題No.1は「医療保険」の値上げについて。どのくらい値上がりしたか、来年も同じ会社にするのか変えるのか?電気代も郵便代も、小麦粉も生クリームも、何もかもがガツンと値上がりしたけれど、取り分け家計を直撃したのが医療保険の高騰でした。

2021年 Bern市内の小学校

スイスに住む限り、Assurance Maladie(仏)・医療保険は全員義務で払わなければならない。日本も国民皆保険だけど、スイスの場合、とにかく高額。2024年、私は切り詰めたプランだけど毎月600CHF払ってます。ちなみに現在1CHFは大体170円。円高にしても高い。日本の場合、無収入や収入が少ない場合、保険料の額もぐっと下がるけど、スイスにそれはない。年金生活になっても、後期高齢者になっても、相当高額な保険料を払わなければならない。

毎年9月30日、各保険会社(私企業)が保険料の見積もりを発表する。個々人が各保険会社のホームページ上で、年齢、住んでる市町村、支払い条件などを入力すると見積額が算出されるが、この時期になると多くのサイトで年齢等の条件を入力することで複数の保険会社の保険料を一括比較できる。その見積もりを比較して、基本保険料は11月末までなら保険会社を変更できる。住んでるところ、州によって保険料はかなり違う。高度医療の病院が多い地域は保険料も高くなるようだがそれにしても高い。

Bern市内の小学校

スイスにおける健康皆保険の歴史はそれほど古くはない。現在の誰でも入れる、というか入るのが義務の保険システムは1996年1月1日から。それまでは、例えば病気持ちなどで、払った保険料以上の額の支給を受けることが確実な人は保険会社が加入を拒否することができたそうだ。しかし、以来保険料は年々上昇し、コロナ禍を経て今年は平均9%の値上げ。2023年の時点では、一人平均の保険料は月500CHF ほど。

基本の保険料ではFranchise(仏)という自己負担額を決める。300、500、、、2000、2500CHFといった額で、数字が大きくなるほど月々の保険料は下がるが、医者にかかった際は決めた額までは自分で全額払う。その金額を超えると患者は一割を負担、残りは保険会社の負担。一定額を超える高額医療費は全額会社負担、となるのかな?

BernのInselspital近くの学校

若くて健康で医者にかからない自信があれば自己負担額を高く設定して、月々の保険料を抑えることも出来るが、ある程度の年齢になるとね・・・ちなみに、保険会社からの医療費払い戻しサービスを全く受けなかったとしても、次年度の割引サービス等は無い!

Prima Schule(小学校)と門の上に彫ってある

「スイスで働くには」のサイト(仏)から保険料の仕組み、自分に合った保険料を見つける:https://www.travailler-en-suisse.ch/assurances-sante-suisse.html

スイス連邦政府のサイトから、健康保険について:

https://www.ch.ch/en/family-and-partnership/maternity-and-paternity/pregnancy-and-birth/changing-and-cancelling-health-insurance

https://www.priminfo.admin.ch/fr/versicherungen/grundversicherung

https://www.bag.admin.ch/bag/en/home/versicherungen/krankenversicherung.html

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