Arc-et-SenansのSaline Royaleを思い出したのが、図書館のロングトレイル本コーナーで見つけたTerra Salinaの本。
Terra Salina(Via Salina)は歴史的に塩関連の場所をつなぐロングトレイルで、フランス東部の塩山周辺、後半はフランスからスイスへ塩が運ばれた道をたどっています。Via Francigenaの初っ端の部分、Ste-CroixからVuiteboeuf間もVia Salinaとかぶっています。
今回はVia Salinaの最初の一部分22㎞、Arc-et-SenansからSalins-les-Bainsの間を歩きます。Salins-les-Bainsには塩水が湧き出る塩鉱山があり、7000年(!)前から汲み上げ&塩精製が行われていたのですが、塩水中の水分を蒸発させるのに必要な薪燃料量が膨大で、近郊の森林は伐採されつくして年々遠くから薪を運ぶようになって大変!
そのために広大な広葉樹の森の隣、Arc-et-Senansに新たに製塩所がつくられたわけです。で、精製所に塩水を運ぶのに、全長21.25㎞に渡りモミの木をくりぬいた輸送管が地中に埋められました。Salins-les-Bainsの方が標高が高いので、その標高差を利用して塩水が流れていくはず・・・今回のコースは輸送管が敷設され経路をたどる道。
なお今回の地図はIGN Randoのサイトからお借りしています。
https://ignrando.fr/fr/parcours/11719-d-arc-et-senans-a-salins-les-bains
Saline RoyaleからPort-LesneyまでGR59(Echapée Jurassienne)と表記された道。途中灰色の太線が横切ってますが、県境です。
またArc-et-SenansからSenans方向に、Graduationの建物を目指すルートもあります。
Saline Royaleの門を背に、道を渡ってそのまま真っすぐ。
Saline Royale(左)、Cranans(右、私が行く方向)、Graduation(右奥)は次の地図では細めの紫破点線で描かれたSentier des Gabelous。
Saline Royaleから歩道付きの車道を真っすぐ、川を渡った先で左折、川を見ながらしばらく歩きます。
車の交通量が半端ない道でした。この左に、製塩施設Graduationの遺構があり、表示もあったが寄らず。塩水中の塩分濃度を少しでも上げるため、496m長、高さ7mの建物内を塩水を通し、その過程で水分を蒸発させる建物・Bâtiment de graduation et le bassin。Saline Royaleから1㎞ほどの距離。ここを含むSenansの町を軽く回るコースもあり、観光案内所で簡易地図ももらえます。Senansの町の南側にRue du Saumoduc(塩水輸送管)、Rue des Graduationsの名の通りがあり、その辺りに行けば何らかの跡があるのでは。
Loue川を渡るとDoubs(ドゥー)からJura(ジュラ)県に入ります。川を渡った後の歩道がない道は、前日夕方に予習で少し歩いた時は車がビュンビュン走ってましたが、午前中は車も通らず一安心。
ベンチ・テーブルと塩水輸送管についての歴史解説板。輸送管敷設は超大変な工事だったのですよ。ここを右折して、ようやくハイキング道らしい道へ。
テーブルの向こうの柱に右折マークがついてました。色の違いについてはフランスのハイキング道、GR(Grande Randonnée 赤白)とPR(Promenade &Randonée 黄色)の違いです(もう一つ赤黄色 Grande Randonée de Paysというのもあるが今回は出てこない)。
歩行と写真は2022年8月下旬