スイスにおけるコロナウィルスと私の日常(3月18日)高齢者を守るために

パンデミックは起こってしまった。その先にできることを考えよう。

現在のところ、スイスで出ているのは「自宅待機要請」で「外出禁止」ではないので、バスも車も、ランニングの人も走ってるのが見えます。買い物や誰かを助けるため、自宅勤務が不可能な仕事へ出かけることは可能です。「監視」などはないので今のところ隔離中ではなければ散歩に出ることも可能です(どこもかしこも閉まってるけど)が散歩先で知り合いと待ち合わせは禁止されてます(守っていない人が多いと今日もラジオで指摘があった)。自宅待機要請は感染者の増大速度を抑えるためで、当分のところ新規感染者をゼロにするのは不可能と考えられていると思います。

おそらく最初の感染者が確認されるよりずっと前から、症状が出ない感染者が多数存在しており知らずに感染を広めていたのでしょう。大部分の感染者、特に持病のない若者は自宅静養で治るということになってますが、さらに言えば多少の菌ではビクともしないガタイの良い強靭な人ってヨーロッパには多い、と思う。しかしそういう人と接して感染した先が高齢者や持病を持つ人だと話は変わってきます。

ということで自宅待機要請に加えて「5人(州によっては10人)以上の会合は私的なもの、室内であっても禁止(生活を共にしている大家族や仕事での必要においては可)」となりました。既に同居して生活空間を共にしている人以外との距離を保つ、人数に関わらず訪問などの接触を避けるのは、症状がなくとも誰もが保菌者の可能性があるとの前提で、ウィルスに対して弱い者、病気の人や高齢者を守るのが目的です。

有名人や社会的に重要性のある人(医療責任者や行政関係者)でなければ、すでに感染者の年齢も住んでいるところも何も公表されなくなっています。何か問題行動のゆえに感染したわけではないのです。ごく普通に日常生活を送っても感染は避けられない(かもしれない)状態になっているのです。感染者は責められない。悪いことをしたわけじゃない。それに明日は我が身だし!

家に居ろ、友達に会いにも行くな、とは人間の基本的生活の根幹を否定するような決定ですが「人との交流、人との接触を避ける」ために、まずは1000人以上の集まりが禁止され、それでも感染拡大が止まらなかったために自宅待機要請が出されたわけです。

しかし高齢者にとって薬がなくなるよりひどいのは社会的に孤立してしまうことです。未曽有の緊急事態に際し、近所の高齢者に対し買い物を申し出る動きも活発化してます。電話やSNSに加えて集合住宅の入り口に昔ながらの掲示板が復活したり、集落単位で買い物代行サービスを始めるところも出てきています。数か月たってこの騒ぎが収まったときに、せめて今なされている努力を肯定的に振り返れたら、と皆が思っています。

パンデミックは起こってしまった。今できることは何か?日本では大掃除は年末ですが、こちらでは春の大掃除です(特に窓ガラス)。暖炉を使っていた昔は、冬の間についた煤などを春に除去していたそうです。窓ガラスを磨いてみよう。美しい春を家からもっと良く見るために!

自宅待機者の支援ボランティアについて:

スイス赤十字のサイト:https://www.redcross.ch/fr/fiveup

Hilf-Jetzt: https://www.hilf-jetzt.ch/

写真はすべて3月18日

コメント

  1. 合言葉は同じ誕生日♫ より:

    そちらの桜は東京ドーム全く同じタイミングですね。今朝は近くの日本庭園に満開の名物枝垂れ桜を見てきたところです。しかし、そちらの自宅待機要請、こちらよりずっと厳しいですね。コッチは相変わらずみんな電車通勤しているし。時差通勤とテレワーク推奨効果で、通勤ラッシュは少しだけマシになりましたが。私は8時出勤パターンで定着しそうです

    • panorama-alpin より:

      そりゃもう、こちらは立派なパンデミック認定状態ですから。ただし、毎日のように政府会見やラジオなどで口を酸っぱくして「不要不急の外出はやめろ」と言ってるのに、とらえ方には温度差があるようで、危機意識がない人が大勢います。若者もそうだけど、命が係わる年配の方の中にも。

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