冬のスポーツ アイスホッケー

数か月前の新聞記事(24heures)に、稼いでるスイスのスポーツ選手10傑が載っていた。一位はもちろんテニスのフェデラーで他も全員男。テニスの他ではサッカー、ホッケー、バスケットボール。テニスの二人、フェデラーとワウリンカ以外は団体競技で、皆スイス以外のリーグの所属。サッカーならヨーロッパのどこか、バスケとホッケーはアメリカ(北米)リーグ。

昨秋新装なったVaudoise Arena。手前のドームはオリンピック期間中の企画ブース。ちなみに名前のVaudoiseは地名のVaudからにあらず、保険会社の企業名です

なるほどアイスホッケーって極めると超高収入になれるんだ(限られたスターです)!トップ10の稼ぎ手でスイスリーグに残っている選手はいなかったけど、それでもホッケーの国内リーグは盛んです。NHLにスカウトされるにはスイス国内のリーグ、さらにはそこのジュニアチームで活躍しなくては。

Vaudoise Arenaでアイスホッケー 決勝戦 スウェーデン対日本

スイスのアイスホッケーは1部から3部まであり、結果や順位表は硬派の新聞にも載ってます。Via Gottardoで通ったAmbri-Piottaもそうだけど、びっくりする位人口が少ない町でも、だからともいえるけど、熱狂的なファンがいて、アイスホッケー場だけは整備されていたりする。

ちなみにアイスホッケーのファンの大多数は男、しかも年季が入ったファンも多い。スタジアム近辺にはそんな男たちが集まるカフェというかビストロが、いやスタジアム内にも食事処があって渋いおじさん達が旧交を温めているのを見る。

アイスホッケー 決勝戦スウェーデン対日本、日本の勝利直後

ホッケー、何度か見たけど難しい!速い!見るのにパックを追ってはいけないらしい。選手のパックに触れてない選手の動きを見てないといけないと言うが・・・わからんうちに点数が入るのだが、観衆はその5秒くらい前から地響きをあげている。

手前、国旗掲揚用の旗を兵隊さんが捧げ持ってます。この体勢でかなり長い間静止してました。

年配者のほかに、子供を連れて観戦しているお父さんというのも多い。小さい頃から見方の英才教育をしている。シーズンパスならホームゲーム全試合見放題。

「速さ」には訳がある。アイスホッケーはゴールキーパーを除く5人のうち、攻撃が2人、守備が3人だが、彼らが極短いスパンで次から次へと交替し続けているのだ。リンクを数往復全力滑走するだけで疲れるので2人づつ、3人づつ、すぐ交替して常に全力滑走できる選手がリンクにいる!最初知ったときは衝撃でした。フィギュアスケートの、疲れる後半のジャンプは加算とか、マラソンで苦痛に顔をゆがめながら走る選手に心を熱くする、とか、そういうんじゃないんですね。極限の速さと技術の試合に熱狂する。

さてアイスホッケー、自分で競技する、子供にさせるとなるとそれなりにハードルが高い。あの防具やスティック一式(ある意味剣道に通じる)を持って子供をリンクに連れていくとなると車での送り迎えは必須。スイスの誇る村の隅々までの交通網も、練習が日曜日の早朝からとなると車じゃなければ無理。必然的に親子鷹ならぬ親子代々プレーヤーとなるらしい。小さい町にあるチームのバンビクラスやジュニアで頭角を現したら、もっと大きい町の一部リーグの下部組織にスカウトされて、もしかしたら世界へ羽ばたくかもしれないのはサッカーも同じ。ただし、サッカーでは貧しい移民の子が一転トップリーグでスターになる例は多々あるけど、アイスホッケーは前述のとおり、小さいころから親が面倒を見て用具にもお金をかけなければならないのであまり見ない。

アイスホッケー場は屋内なのでサッカー場と違って天候に左右されません。VIP席はリンクの防護壁(透明)のすぐ後ろにあり、すぐ横にはシャンパンとか高そうなおつまみ軽食が並び、ご歓談しながら観戦してます・・・ホッケーの試合はスポンサー企業がクライアントを接待するにも使われる。大相撲の升席のようなもの。

ちなみにこちらが聖火台。街中にあります。横を通っても気づかずに聞いてやっとわかった。高さ3mくらい?もうちょっと高いか。

昨夜ユースオリンピックのホッケー女子決勝戦に行ってきた。切符を取ったときにはどこが決勝に残るかわからなかったが、なんとスウェーデン対日本!改装なったVaudoise Arenaは超満員(無料っていいわ)。試合は小柄な15歳達がそれは見事な試合ぶりで圧勝(4-1)。本当に見事なパス回しで体格のハンデを技術で圧倒。私は身びいきは無いほうだけど、会場全体が日本応援ムードになっているのがはっきりわかり、私としてはなんだかこそばゆい。ユースオリンピックは22日でおしまい。伊藤選手や下向選手をはじめとする今日見た選手の今後の活躍を見てみたい。頑張った全ての国の全ての選手が、この先の競技人生とそれ以外で活躍してほしい、と心から思う。

別ショット。学生がデザインしたそうな

去年の女子サッカーのW杯でも思ったが、女子競技は男子に比べて反則がずっと少なくて、流れが美しい!

こちらは2015年、昔のアイスホッケー場。新しいホッケー場は本当にきれいだった。

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