Via Gottardo (37) 二つのDazio、VecchioとGrande

https://map.wanderland.ch/　左端の青正方形がDazio Grandeのバス停の印。赤丸がついた緑の線が峡谷脇経由のVia Urana、それの南側にMonte di Piottino経由で途中にDazio Vecchioがある

Ponte di Mezzo橋の手前のハイキング道の分岐。一番下に「峡谷経由の道は通行止め」の通知がある

Ponte di Mezzo(879m)の手前でハイキング道が分岐します。FaidoからここまではStrada(Via) Romanaの一部でした。この先Dazio GrandeまでDazio Vecchio経由とVia Gola del Pittino－Gola峡谷経由（Via Urana)に分かれます。

https://map.wanderland.ch/　左端のRodiからMascengo、Prato Leventinoを通るのが1350年以前のFaidoまでの経路。

中世以来何世紀にもわたり、Monte Piottinoの山塊は通行の障害物であり、古くはRodiからFaidoへ行くのにはMascengo、Prato Leventinoを経由する上の地図上では一番南の経路（緑の線は現在ハイキング道として標識がある）を通っていました。

分岐からDazio Vecchio経由の道を行く。対面の斜面中腹に見える集落はMascengoかPratoだろうか？

途中にはAntico Dazio（Dazioは税関の意味。現存せず）の建物もありました。Schöllenen峡谷を安全に通れる橋ができて交通量が増えた1350年になって、それより距離が短いMonte Piottinoを登って降りる道が開かれ、これがStrada Romanaです。その名に反してローマ帝国とは関係なく、ミラノの人たちが作ったラバで通れる規模の道でした。途中にはAntico Dazioに代わる税関Dazio Vecchioが建てられました。

Dazio Vecchioの跡

さらに1531年にはもっと短距離でアップダウンのない道、とUriの尽力によりPiottino峡谷のすぐ脇を通る道ができました。UriとはFlüelenからHospentalまで、Gottardo峠の手前までの領域の州です。

ハイキング道分岐からPonte Mezzo上。線路がすぐ近く

Ticino川の急流のせいで道は幾度か崩落しましたがその度に修復・・・って私が行った時も修復中！で通れず。代わりに山経由を歩いてDazio Vecchioが見られたからいいのですが、Via Uranaは私の愛読書Via Gottardoの表紙（冒頭の写真）にもなっている、ここを通れなかった！！！写真を見るとなかなかに迫力があっていいなあ・・・いつか行こう。

画面奥に見えるのが峡谷沿いの道。

Via Urana　工事中でこの先は通れません（涙）

1561年にはDazio Vecchioに代わりDazio Grandeが建設され、税関＆集荷場＆休息所として使われました。通るラバや人の数に応じて通行料と関税を取り、関税の一部は道の保守整備に充てられ、街道は潤いました。

Dazio Vecchioの先、Dazio Grandeのすぐ近くの橋。Mulino del Dazio、水車小屋の表記があるので、この川を利用して粉を引いてパンを供していたのでしょう

1790年にはDazio Grandeの税収がUri州の収入の3分の1を占めていました！1803年にはTicinoが州として独立、1818年頃からは州道が建設されVia Uranaに取って代わられました。1934年にはトンネルを経由する道、さらには1983年には高速道路A2が開通しました。

Dazio Grande　博物館は入館料５CHF　Faidoから3時間30分かかった（コースタイムは2時間だったが寄り道したり解説板読んだり迂回路通ったりで）

1990年代より歴史的遺物として改修保存が進み、現在Dazio Grandeは18世紀のフレスコ画とパン焼き窯（これ超大事）を備えた博物館、レストランとなっています。Dazio Grandeから峡谷沿いのVia Uranaと山経由のVia Romanaを歩いて90分くらいで一周できるそうです。黄色のハイキング道表示に加えて茶色の表示板Circuito Piottinoの表示がついてます。