Fête des vignerons「一世代に一度の祭り」と、開催地Vevey(ヴヴェイ)があるフランス語圏スイスのメディアはここ数週間、毎日ものすごい報道量です。
一回目の開催が1797年で今回が12回目。ここ最近は1955、1977、1999年。「一世代に一度」は本当で、20から25年に一度開催されます。次回の開催がいつなのか、あるのかどうかさえ分かっていない、Vevey周辺のブドウ生産者組合による祭りです。
ブドウ栽培者を表彰(couronner-最優秀者6人には冠が授けられます)するのが祭りの起源で2016年ユネスコ世界遺産登録。目玉となるステージのために、毎回仮設のアリーナが町の湖畔にある広場に造られます。
2時間半の演目、収容観客人数2万人。ソリストに加えてコーラス、ダンスに出演する老若男女、計5500人のほとんどはVevey近郊在住の一般人。
さて今回の演出を担当したのがDaniele Finzi Pasca。トリノとソチの二つのオリンピックの閉会式のプロデューサー。シルク・ド・ソレイユの演出も手掛けてます。数年前に彼の名が発表された際にはなかなかの騒ぎになりました。スイスとはいえルガーノ出身で地元民ではない!でも超大物!
ステージに莫大な金がかかっている(よってチケット代も高くなり、実際開幕前までかなり売れ残っていた)のは、最新の音響や照明設備が理由のようです。
「伝統」から離れすぎているとも批判はありますが、昔のままの演出と演目を続けて、昔と比較のしようがないほど娯楽が多様化した現代で人を呼べるのか?私は20年前を知らないから何とも言いようがないです。
1955年は2週間だった期間が今回は25日間、20ステージ。大昔はこの祭りのために仕事を休んで遠くから見に来たそうですが、今は本当に他にイベントありすぎですからね。毎夏の野外ロックフェスPaléoでも10年だか20年ぶりかでチケットが完売してないそうですし。
私は17日の最終リハーサルに行ってきました。一般に公開された最初の公演で、料金が半額だったもので。それでも一番安い席が40フラン近く(4000円強)しました。
「収穫の秋から始まるブドウ畑の四季。その間にある結婚式やSaint-Martin祭などの地域の人々の暮らしの情景」という極めてオーソドックスな内容が、カラフルでポップな衣装と音楽にのって展開し、凡庸な感想ですが美しかった!遠くの席からでも迫力が感じられた!オリンピックの閉会式を2回も任されることはあるわ!私が観たのは昼の部でしたが、夜の部では同じ内容でもライティングが素晴らしいそうです。
さてアリーナでのステージは有料ですが、8月11日までの期間中はVevey(人口2万人)の町は祭り一色になり、特設の食事処、屋台に加えてパレードなどの催しがあります。日本の祭りとは違うのでガッカリされるかもしれませんが、飲み食いしながら景色を眺めてゆーったりするにはいいんじゃないかと思います。
(次回に続きます)
ステージ上の衣装などが見られますFête des vignerons公式Instagram