去年改めてJura地方を歩いてみて、ハイキング標識が実に丁寧に適切につけられていることに感心しました。州内に超有名な観光名所があるわけでなく、世界からセレブが集まるようなスキー場があるわけでもなく、ハイキングを重要な観光資源として大事にしている印象を受けました。
https://www.juratourisme.ch/en/leisure-activities.html
上記のジュラ州の観光局の公式サイトを見ると、ゲレンデスキーはファミリー向けのが二か所のみ。ということからも想像できるように山はなだらかで、のんびり歩くに適する所です。
一方スキーはスキーでもクロスカントリースキーやスノーシュー(リフトやゴンドラで稼げない)には絶好の地で、夏場に私が歩いたところの多くは冬場は雪遊びの地となります。
上の写真は「典型的なJura山麓の森」。こうしたところでは道の跡が薄かったり途切れていることも少なくないです。
Juraの標高は最高でも1000m程度、歩く人が少なければ道にも草が生えてこれる高さです。道が不明瞭な地では、要所要所にあるはずの方向表示板をしっかり見て、指し示す方向に向かって直進しましょう。よーくあたりを見渡すと、その先の大木などに黄色菱形のマークが見つかるはずです。
道が不明瞭なことに加えて、木などの表示を付けられるモノが無い事もあります。上の写真は真ん中辺に表示板が見えるので、そこを目指して歩きます。道ではない、緑の草の上を歩くのは気持ちがよいですが、道じゃないと不安という意見もわかります。
これはまた別の地点。右手後方にあった方向表示板の指し示す方向にはこのような柵がありました。悩みながらも柵に沿って目を凝らし、柵を左に視線を移すと、その先に森の中の道への入り口のマークがついていました。このようにJuraでのハイキングでは想像力も必要です。
これはJuraに限らずですが、難儀するのは動物(家畜)たちとの邂逅です。柵で隔てられてる限りは心温まる出会いも、私の行く手を阻んでいる場合はホント困ります。ハイキング専用の道があるわけではなく、生活道を歩かせてもらってるからには点在する酪農農家が使う道でもあり、牛舎のすぐ横を通る道であり、彼らの地に入り込むわけであり・・・
やむを得ず牛に近寄る時は、しばらく静かにじっとして、牛がこちらへの興味を無くすのを待ちましょう。なるべく気配を消すようにして、なるべく牛から距離をとって大回りをします。道を外れるときには行くべき方向、次の標識を見つけておきたいです。牛や馬を避けて道から外れて迷うことは往々にしてありますので。
牛馬地帯を歩くということは放牧柵を越えること。これがバラエティに富んでいて、時々どうやって開けるのか悩みます。
これはよく見るタイプ。一番上のバーを上げて、真ん中の梯子段をまたいで通ります。これを一日に十数回も開け閉めしたこともありました。