Via Albula / Bernina(6)FilisurからBergün

Filisur

Filisurの町は駅からかなり下ったところにあります。バスもありますが、歩いても10分くらいでしょう。町の標高は1032mですが、少し離れた1504mの高地にWalser(Valais州、Gomsに住んでいた人たち)が移住した集落Jenisbergがあり、ここもFilisur管轄です。

Filisur観光案内所 この気まぐれな、いや多彩な営業時間-2013年の写真なので今は変わっている可能性があります

青銅器時代から人が住んでいましたが、1888年の人口が273人、鉄道建設で急激に人口が増え(1900年に644人)、鉄道が完成するとまた減って(1910年333人)、2006年には487人との変遷を経ています。

Filisur1025m。

ここからこのパネルがハイキング道沿いにあります

FilisurからはDavos方面にも鉄道が分岐していますが、Albula線はPredaに向けて歩きます。FilisurからPredaまで、ハイキング道沿いに赤いパネルが設置されていて鉄道とそれにまつわる解説があります。英語/ドイツ語。これを真剣に読んでるとどんどん時間が経ちますが。

今日も川に沿って歩きます。Filisurの町を抜けると、しばらくはいくつか建物がありますが、その後は人気のないところを歩きます。

Bellaluna

1時間半くらい歩くとBellaluna。この建物は近くで操業していた鉱山会社の社屋として、1568年から閉山になった1848年まで使われていました。最盛期の17世紀には何百人もの鉱山労働者が働いていたそうです。その後変遷を経て1965~1988まではカリスマ女主人がゲストハウスを営み、数々の伝説の夜会が催され「魔女の館」と称されていたそうですが彼女の死により閉鎖。更に持ち主が転々として現在は300万フランで売りに出されています。中は改装済みで100m離れた敷地内にヘリポート有り。

Bellalunaから、川沿いを少し歩いてから車道に出ます。車道を少し戻るように歩いた後、向かいの斜面を上っていく小径に進みます。

はじめのうちは、砂利採取場のすぐそばを歩きます。しばらくの間は細かい砂利の道。ここでいいのかちょっと不安。ようやく土の道、右上方に赤の情報パネルが見えます。
久しぶりに鉄道です。線路を上から見下ろせる橋。ここからStuglの旧駅跡が見下ろせます。(一番最初の大きい写真はここからです)標高1277m。

読んだ説明パネルの中で、昔は日に数本程度だった列車の運行を貨物輸送などの需要の増大に応じる形で頑張ってダイヤを組んでます、というような記事がありました。ちょっと眺めていると列車は頻繁にやってきます。

以前はこの人里から隔絶された駅に鉄道関係者とその家族が常駐していたそうです。現在は駅としての働きを終え、鉄道とは関係ない誰かが住んでるみたいでした。駅跡からStugl/Stulsの集落へ下りるハイキング道があります。古い教会があり、ここからバス便があります。
観光路線としてのイメージがあるレーティッシュ鉄道ですが、アルプスの山々を越えた南側、エンガーディン地方への物資輸送の要です。ということで貨物列車。
ThusisからSt.MoritzまでのAlbula線はわずか5年の工事期間で1903年(1904年とも)に開通しました。当時スイスの職人だけでは人手が足りなかったので、イタリアからの多くの労働者が工事に携わりました。彼らにより、ピザ、パスタ、エスプレッソなどがスイスにもたらされました。そういえば私の知り合いのスイス人は1980年になって初めてピザというものを食べた、と言っていましたわ。ここからは、線路のすぐ脇を歩きます。右手がかなりの高さのある斜面、時々崖になっていて、すぐそばに線路、ずっと下に車道と川が走っています。線路は谷あいを縫うように敷設されています。地図を拡大して見るとわかるように、大きく崖が続く個所では岩崩や雪崩を避けてトンネルが掘られています。FilisurとBergünの間には13個のトンネルがあり、総延長は2.6㎞。とりわけBergunerstein、地図上でIgl Crapと書かれた辺りでは露出した岩盤を避けて長いトンネル、ハイキング道が大きく曲がって舗装路に着くあたりの向かいです。ここはFilisurとBergün間の通行を妨げる最大の難所で、岩を穿った細道が出来たのがやっと1696年!
Bergün(ドイツ語)/Bravuogn(ロマンシュ語)の町が見えてきました。舗装路に出たら、あとはひたすら下りるだけ。

Filisur周辺拡大地図。赤の細線が鉄路。Filisur駅から東に進んだ所でループ&トンネルで高度を稼いでいます。端が切れちゃってますが、ループの中、1247の数字とBurgruine Greigensteinまで緑のハイキング道が通っています。

今回Bellalunaまでの区間は鉄道から随分と離れたところを歩いていました。その頃鉄路はどうなっていたか?上のFilisur周辺拡大地図を見てみましょう。赤の細線が鉄路。Filisur駅の近く東側でループ&トンネルがあります。BergünはFilisurより300m高い所にありますが、このループで高度を稼いでいます。今回歩いた33番の道(赤丸がついた緑線)ですが、Filisurから30分ほど「Ruine (Burgruine) Greifenstein」へのハイキング道をたどればループに肉薄でき、ついでに岩城の跡が見られるようです。

次回BergünとPredaの間はループがもっとたくさん、その中を歩きます。

歩行、写真は2013年10月中旬、この区間のオフィシャル解説サイトはこちら:

https://www.schweizmobil.ch/en/hiking-in-switzerland/routes/route/etappe-01316.html

地図は以下からも見られます:

https://map.wanderland.ch/

https://map.schweizmobil.ch/

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