CavagliaからPoschiavoまでを2時間くらいかけて歩きます。Alp Grüm(2126m)からCavaglia(1693m)、Poschiavo(1021m)と降りてくると、最後のほうは足が痛くなるのと、気温がどんどん上がってくるのがちょっと辛い。Cavagliaの開けた平野から、再び森の中の小径に入りました。Cavagliaの南にはVal Poschiavoが広がっています。EngadinとValtellinaに挟まれたこの谷の中心にはPoschiavoの町があります。Alp Grümからは青銅器時代の遺物が発見されており、ここは遥か昔から人の通行がありました。ラテン語より古い、インド・ヨーロッパ語より古い言葉が起源の地名が谷のそこここに散見されます。Poschiavoの谷は東ローマ帝国の一部でしたが比較的平穏でした。帝国の中心からは遠く、山に囲まれ、山に守られた地でありました。
中世はロンバルディア王国の一部となりました。1408年には現在のイタリア北部に位置するComo(コモ)の司教区から現在のスイスはグラウビュンデン州のChur(クール)の司教の支配下に変わりました。これと同時にヤギの紋章のLega Caddea、のちのグラウビュンデンを構成することになる三つの連盟のうちの一つに加わり、自治権を得ました。
それから約400年後の1797年には、ナポレオンが制定した国境に従い、一時期グラウビュンデンから離脱してミラノを中心としたRepubblica Cisalpina(現在の北イタリアを構成する)に組み込まれました。帰属を選ぶ、変わることが続いたPoschiavo、Bernina鉄道開通以降は観光地としても発展してきました。
途中、Cadera駅への分岐が出てきます。Cadera駅には2時間に一本しか列車は停まりません。駅舎はとてもかわいらしいので列車で通る際には見てくださいね!高度が下がるにつれ、森は深くなっていきます。途中、それまで歩いてきた道から右に、より細い小道に入って行く箇所があります。表示はきちんとあります。ようやくPoschiavoの町の高度まで降りてきました。Poschiavo(人口3500人)に着きます。駅のすぐ南には中規模のスーパーCOOPがあり、土曜日も18時まで営業してました。駅は2018年に訪れた時には大規模な改修工事の真っ最中。無料のトイレがあったけど(2018年)、工事以降どうなるかは不明。レーティッシュ鉄道のトイレは無料の所が多い印象がありますが(有料システムの導入にはそれなりの手間が必要)、この先もそうであってほしい、と切に願います。
町の中心は駅から川を渡ったところにありますが、駅内にはキオスク、駅のすぐそばにカフェなどがあります。
Poschiavo周辺の観光案内サイト
https://www.valposchiavo.ch/en/