バスでFurkapass(フルカ峠、標高2429m)を越えます。AndermattからHospentalを経由してOberwaldまで2時間弱の乗車です。
Andermatt(標高1436m)とOberwald(1368m)間はマッターホルン・ゴッタルド鉄道が山と山の間の大きな谷に沿って走っています。RealpとOberwaldの間には1982年に15.4kmの長大なトンネル、Furka Basistunnelが開通し、これにより鉄道の通年運航が可能となりました。長い、長いトンネル。たっぷり15分。地図上でRealpとOberwald間に見える鉄道駅の青い印は、DFB、夏の間のみ運行する蒸気機関車の駅です。Furka峠は鉄道にとっては難所、DFBの鉄路は最高標高2160mのところまで頑張って走ってますが、峠をトンネル(1.8km)でしのいでいます。
バスはというと、AndermattからRealpまでは鉄道のそばを平行に走りますがRealpを過ぎるとジグザグに斜面を上り始め、鉄路を遥か下に見下ろしながら走ります。「世界の車窓から」の空撮をやってる気分。列車は滅多に走ってませんがそれでも鉄道の線路が見えると嬉しい。
ちなみに緑色の線で表記されたハイキング道は鉄路、バス路のさらに上についてますよ!
Furkapassを越え、Gletschに近づくと、進行方向右手の斜面に別のジグザグ道が見えてきます。別の峠、Grimselpassへと上る道です。地図上赤丸付きの緑線がGrimselpassを経由するVia Sbrinzの道筋、近いうちにゆっくりご紹介できると思います。
Andermattから1時間50分ほどでOberwaldに到着します。途中Belvedereのバス停で降りて少し上ると氷河を間近に見ることもできます。
実はこの日、私は午前中にAndermattから別の峠、Gothardpass(ゴッタルド峠)越えのバスに乗りました。麓はまあまあの天気だったのに、ちょっと上るとまったく先が見えない分厚い霧の中に入っていきました。峠ではもう、怖くてバス停からすぐの建物から離れられない位のひどい霧。というわけでこの時の写真は無いです。バスの運転手が霧の中を躊躇なく、滑るように運転する技に感心するしかなかったです。
私の知り合いは16歳の時自転車でスイス一周をし、8月のSustenpassで大雪に見舞われたそうなので夏でも侮れないです。山の天気は変わりやすいとはよく言ったもので、本当に怖い。バスなら座ってるだけでいいけれどハイキング中だったら考えないといけないな…
日数は無いけれどなるべく多くの峠越えをしてみたいという方は、本数の限られたバスにこだわらずに鉄道(こちらは大概一時間に一本の運行がある)も利用すれば時間に余裕が生まれます。
また夏期のみですが、Andermatt、Airolo、Meiringenを起点に3~4つの峠を越えて一日で一周して戻ってくるバス路線もあります。午前中に出発して18時くらいまでには戻ってこれます。
http://www.fahrplanfelder.ch/fileadmin/fap_pdf_fields/2018/12.682.pdf
時刻表は2018年のものです。
前回のSustenpassをバスで越えた後、Hospental(ホスペンタル)に泊まりました。HospentalからはFurkapassの他にGothard峠越えのバスも出ています。Hospentalは小さな集落ですが、その割にはホテルやレストランの数が多く、しかも手ごろな価格。何故に?と思ったら、オランダ・ベルギー・ドイツなどから太陽の国イタリアへ行くとき、車で8時間くらい走ったところにあるからだそうです。
写真は2013年10月初旬、バスからのもの、地図はhttps://map.wanderland.ch/
からのものです。