スイスにおける死と葬式と墓(1)個人的体験と一般的知見

ここ数年、スイスでの身近な人が老人ホームに入ったり、訃報に接することが続いた。そして初めて死ーお葬式ーお墓への一連の流れに触れることがあり、日本のそれと違うなあ、と思うことも多くあった。

私が見たのはスイスでの「死」のごく一例である。日本でも地方により、ヨソモノにとってはびっくりなお葬式の作法がある。住民が900万人を超えた程度のスイスでも、土葬・火葬、墓の形態として個人の墓・家族墓・共同墓・散骨・・・カトリック・プロテスタント・イスラム教・その他の宗教・無宗教、そしてスイスでは定番の州によって大きく異なるのはもちろん、市町村によっても違うらしい。葬式から墓にかかる費用も、お坊さんを呼ぶかどうかも。亡くなった方の年齢、それに伴う遺族の年齢と人数、亡くなった時にバリバリ仕事をしていたのか隠居して長いのか、人付き合いが密だったか疎遠だったか、趣味なり仕事なりの団体で活動していたのかどうかによってもお葬式は変わる。参列者の人数が変わる。本人が遺志をのこしていたのかどうかによっても。家族との関係性もどんどん変わっていくし、これだけ「スイス外」からの人が多くを占める状態では、それぞれのお葬式儀式があるだろう。

そういうわけで、次回から私が述べるのは、そうした多様なお葬式形態のごくごく一例でしかないことを、まずお断りしておきます。

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