前回の修道院を見学したのは2019年。修道院内の教会と博物館は年に364日開いています(閉まってるのはクリスマスだけ)。
ただし、日曜日の午前中はミサがあるので入れません。2012年に訪れたのは、まさに日曜日の午前中でした。待つのもなんだしな、と修道院はあきらめてMüstairからSta Mariaまで歩きました。
ああ、この日は本当にいい天気だった。MüstairもSta Mariaもほれぼれするような美しい家々。
というわけで、青空の写真は9月に撮ったものです。
私がScuolからSta Mariaにかけての地域を訪れたのは5月中旬、7月初旬、9月初旬です。
最初に訪れた9月、Scuolの北を歩いた時に出会った現地のおば様が「ここが一番美しいのは5月なのよ!誰もいないし」と言っていたのが忘れがたく、去年念願の5月訪問だったのだが、うん、オフシーズンだわ。
スイスの平野の都市部に比べると4週間は遅れるという花や天候、この年は春が遅く曇ると寒い。ホテルやレストランによっては冬シーズンの後の休み期間の可能性もあります。ちなみにバスでFuorn峠を越えた時、雪が両側にたんまり残ってました。
しかしSta MariaやMüstairくらいの高度なら、草地にはタンポポの黄色い花、リンゴをはじめとする樹々の花が盛りでした。
また雪が残る標高では、雪が消えた直後にあらわれるのは野生のクロッカスの群生。帰りの列車では車窓からでも見られました。高山植物の種類が多いのは6月下旬から7月半ばまででしょうか(次回)。
9月に入ると咲いているのは犬サフランばかりになります。「秋の花といってこれが咲き始めると、花はこれしかなくなって次は冬なのよ」と前述のおばさんは言っていた・・・
Sta Mariaの町が見えてきました。MustairとSta Mariaの間は、バスが走る車道の両側に多くの小道があり、ハイキング道のマーク(黄色の表示板)に従ってもよいし、適当に歩いても常に車道が見えているので迷うことなく何とかなります。
この辺りは冬は雪の遊びができます。
Sta Maria出身の有名人はクロスカントリースキー、オリンピック3大会で4個金メダルとったDario Cologna氏でしょうな。知らない?うん、スイスじゃ有名人じゃがな。
Sta MariaもMustairも今となってはスイスの「辺境」ですが、それは国境がそうひかれたからであって、長い長い間、交易路が交わるところとして存在感があったのですよね。
さて2019年に行ったときは「Banc da legerー読書のためのベンチ」が所々に設置されていました。Ora et labora e legeはMustairの修道女たちの生活の基本、legerは読書でしたね。
ベンチの横に箱があって本が入っていて自由に読めます。ってドイツ語で読めないけど。Sta Maria一帯には著名な作家が執筆のために滞在していくんだそうです。
Sta Mariaには、Tessandaという伝統的な織物を伝えて遺していくための工房があります。時間が合えば、織作業の見学もできます。販売もしてますが糸を染めたりするところから手作業なので半端じゃないお値段です・・・私は端切れを使った小物入れ(お財布サイズ)を買いました(珍しくお土産を買った)。
ベンチの写真だけ2019年、他は2012年