Alcazar(アルカザール)修復中!

今回は久しぶりに華やかな写真を。

Via Francigenaの連載の途中で紹介した、Montreuxの東隣、Territetにある廃墟のようだったこの建物。この写真の左側部分ではDeep PurpleがSmoke on the waterのレコーディングを急遽場所を変えて行ってことでも有名で(予定していたモントルーのカジノ建物が火災に遭ったので)、当時はホテルだったその部分は現在は住居として使われており、扉にレコーディングを記念するパネルがあります。

2024年の9月、毎年恒例のJournee europeennes au patrimoine(普段は入れないような場所が一般公開される2日間)、建物の西側部分、Alcazar見学に行ってきました。

この写真は2階部分で、1階は元々はおしゃれな店舗12軒以上が両側に並ぶショッピングセンターだったのが火災の後、放置。2階のこのホールの隣には運動施設、今でいうフィットネスルームがあったのが1984年、2012年の2度の火災で黒焦げのまま残されてました(写真撮らず)。

2階は大きなホール。当時のままの美しい天井!

建物の歴史を語ると、1883~1911年にはお隣のHotel des Alpes et du Grand Hotel(現・集合住宅)と繋がる形でレストラン、店舗、郵便局、銀行があり社交の場でもありました。

1895年にはベル・エポックの装飾がきらびやかな宴会場がつくられ、装飾は今に残っています。

1911年につくられた広いベランダからは山を背景にした湖の眺め。

1975年よりホテルの営業を停止し、メインホールと食堂が劇場Theatre de l’Alcazarに、ホテル部分は博物館(~2008年)となり、レストランとして営業していたりもしましたが、2度目の2012年の火災で大打撃

個人所有だったのが、歴史的建造物として州が買い取り→Territet町に売却、と何度か所有者が変わったのち、本格的な修復が始まり2026~2027年にレストランとして再開予定。

ベランダの横の廊下の奥、

シャンデリアと共に下がっていたのは、

逆光で全然見えませんが「煙草室」の印。紳士がここで煙をくゆらせていたそうで、改装後もこれは残すそうです。

外テラスにはTheatre de l’Alcazarの看板がそのまま。

ホテルはオーストリア=ハンガリー帝国のエリザベート皇后のお気に入りの場所でした。1898年、彼女の生前最後の写真で、女官とホテルの前を歩いていたのをパパラッチされ、新聞に掲載されたこの写真も遠因になり、すぐ後に彼女はジュネーブの湖畔で命を落とすことになります。

写真と訪問は2024年9月上旬

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