Via Francigena(101)Grand St-Bernardのホスピス

Col (峠) du Grand Saint-Bernard(グラン サン ベルナール)

標高2473mの表示があるのは建物の壁の所。

通りの両側の建物は中空に渡り廊下でつながれています。これが峠のHospice(ホスピス)。ホスピスは元々は教会直轄の、旅人たちが安全に泊まれる場所を提供したり、行き倒れの旅人を救助していました。峠だけじゃないけど、ヨーロッパ各地をつなぐ道の、主要な峠の多くにホスピスが造られていました。

今回の写真は全て2013年7月上旬のもの。2013年、私はHospice du Grand St-Bernardに泊りました。麓の村、Bourg St-Pierreをお昼過ぎに出発して、峠に着いたのが午後5時くらいでしたので(事前に予約はした)。着いて受付で名を告げると、Chanoineと呼ばれる修道院のお坊さんに迎えられてボウル一杯のお茶をいただきながら、お話をしました。

ツインルームを一人で使用。シャワーとトイレは部屋の外に共用。食事は決められた時間に、食堂の大テーブルで他の宿泊者と一緒に食べました。

ホスピスは年中無休、つまりバス便が無い冬でも開いています(冬はクロスカントリースキーやスノーシューでのアクセス。雪崩注意報を確認のこと)。一方、夏期のみ営業しているのが向かいの建物のAuberge de l’ Hospiceで、こちらは部屋にトイレ・シャワーがありホテル並みの装備です。

1050年に旅人を狙う追い剥ぎ対策など峠の安全のために最初のホスピス付き教会&修道院がつくられ、前々回書いたように道に迷った旅人の救出などに修道僧たちが活躍。

ホスピスの名声は高まり、感謝の寄贈品がホスピスに相次ぎ、それらの財宝は現在は博物館Musee de l’Hospiceに展示されています(夏期のみ開館)。

教会は入場無料で誰でも入れるとありますが、現実問題として、普通の教会と違って入り口が外に面していないので、入りづらいと思います。私はホスピスに泊ったので、ミサの時間に部屋から下りて行って入りました。

またホスピスの北側には犬舎。セントバーナード(St-Bernardの英語読み)犬は以前はホスピスで飼われていて、雪の時期の遭難者を救出するのに活躍していました。有名なのはBarry君

2005年からは犬たちはMartignyのBarrylandで飼われ、夏の間だけ一部の犬が峠の犬舎で過ごします。犬舎の見学は有料ですが、係の人が犬を連れて散歩しているのに結構な確率で遭遇できます。そう、例年6月中旬の峠開き(バス路線の再開もこの日)には犬を連れて峠まで行くんですよね。

ホスピスの先には湖。イタリアとの国境は峠ではなく数百メートル先で、湖沿いの舗装車道の途中にあります。Douane(国境検問)とあるところです。

写真と歩行は2013年7月上旬

ホスピスのサイト。ここから予約もできるし、周囲や歴史の解説も:

https://gsbernard.com/

夏期のみ営業の、ホスピス内の宿泊所。ホスピスの部屋が簡素なのに比べて、装備はホテル並み:

https://www.aubergehospice.ch/

St-Bernard地方の観光サイト:

https://www.saint-bernard.ch/en/destination/the-great-st-bernard-pass-14270/

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