Via Francigena(100)岩に刻まれた段

L’ Hospitaletのバス停が標高2107m。

車道を渡り、反対側の緩やかな斜面に取り付きます。石が敷かれた道は馬車も通れた緩やかで幅広の道。

ローマの兵士も、ナポレオンの4万人の軍隊も、大司教といった坊さんも、昔の文化人は健脚だったとはいえ、ゲーテなどの文豪までが通った道。

右下に車道、しばらく車道を見下ろしながらの歩きです。遥か下にはトンネル。もし峠からバスでBourg-St-Pierreに下りるなら、是非右側の席に座ってください。歩いた道がすぐそばに見え、泣けます!

車道のすぐ横にPont de Nudry(2188m)。多分車道の右側に見える石造りの橋の一部。ナポレオンと4万人の兵士たちもこの橋を渡った(当時は車道ありません)。

ちなみにDavidによる絵画「アルプスを越えるナポレオン」はこの遠征時のナポレオンを描いたとされ、絵では馬にまたがっているが、実際は峠越えに実用的なMulet、ロバと馬を交配したラバに乗ってたそう。

2013

比べても仕方がないけど、大体同じ場所での10年前。この時は最後の30分くらいはずっと雪の上だった(でも道はしっかり分かる)。

2023年は本当に暑くて雪が少なかった。

ちなみに今年2024年は5月に入った途端に多雨低温が続き、標高の高い部分の残雪量もそれなりにあったらしい。

峠から一つ手前のバス停Le Tronchetから、車道は徒歩道から離れ、大きく蛇行して斜面を上って行きます。

車道、画面の左端近くに行ってから、方向を変えて画面のほぼ右端まで来て、また方向を変えています。それにくらべて徒歩道はほぼ真っすぐ。ということはこれからグッと登りがきつくなる。バス停Le Tronchetの横にはトンネルの空気穴。

なんて素敵な岩に刻まれた段!

ちょっと平地。峠まで30分との表示。実際にそのくらいで着いたのだけど、しかし最後の30分がきつかった。10年前も同じ感想だった。ここから南へ別のハイキング道が分岐しており、標高2681mのCol de Barassonからイタリアに入ってSt-Oyenまで4時間半、St-Oyen(1365m)はAostaの近くの町。しかし地図を見た限り、St-Oyenまでほぼ何もない感じ。

振り返った所。このずっと下にダム湖とBourg-St-Pierreの町。

この辺りで先の先に小さく小さくホスピスの建物が見えます。

日陰がないので暑い。

しかし地図でも分かるように、最後まで道はオレンジの線(緑の線が重ねてあるのはVia Francigenaという「名前付きのハイキング道」だから)、つまり「登山道(赤の線)」というより「ハイキング道」で、さすが、2000年以上に渡って実に多彩な人々に選ばれて歩かれてきた道であって天候さえ良ければ危険の少ない道。ずーっと緩やかな上りでした。

ここに来てようやく雪の跡。

ホスピスの建物があるところへようやく到着。建物がずっと上に見えてからがまた長かった!徒歩だと建物の裏側から到着。融け残りの雪を乗り越えたらアスファルト。ホスピスより手前、左にあるのはレストランの建物。

歩行と写真は2013年、2023年7月中旬

この地域の観光サイト:

https://www.saint-bernard.ch/en/destination/the-great-st-bernard-pass-14270/

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