観測史上最も降水量が少ない7月ーーー6月も似たようなことを言ってたなあーーー 暑さもさることながらカラッカラなのが衝撃的。ほとんど雨が降らないところに太陽がギラギラと照りつけてるので、通常は緑の草地が枯れ枯れで一面の茶色。歩くと足元でカサカサと音がする。
フランス南部やスペイン、ポルトガルでの山火事については日本でも報道されていたと思います。スイスではそこまでは気温が上がらなかったからか、山火事からは今のところ逃れていますが例年は派手に打ちあがる建国記念日8月1日の花火を今年は中止、禁止する自治体も多いです。
私が先々週末歩いた標高1100~1600mのスイス北西端のJura山地。
このくらいの標高地では、麓から牛や羊が夏の間高地トレーニング(高地で草を食べて過ごす)しにいるのですが、日照り続きでこの草地が見事に茶色になっている。
草地に水を撒くのは無理でも、ヘリコプターで牛たちに水を運んでいる様子がニュースで流れてました。
以前書いたオオカミが放牧牛地帯に出没しているという話、牛はオオカミにとっては大きすぎるので襲わない、と思っていたら、Jura山地では子牛が何頭もオオカミに襲われたそうで、いやはや大変です。
今回の出発点のLa Cureはスイスとフランスにまたがっている小さな町。Nyonからの電車の終点で駅舎は国境のすぐ際。隣の建物はそれぞれの国の税関。ここについてはまたいつか別の機会に書きたいです。
そして駅前にこの看板。
オオカミがうろついているせいで放牧家畜が攻撃的になっているので、ハイキングやマウンテンバイクで通行の際は放牧家畜とは十分に距離をとってください!
「仕事をしている(オオカミから守っている)」牧羊犬には気軽に近寄らない、撫でないようにとの注意書きもありました。確かに横を通ると吠えられる。
私が歩く道のど真ん中には実に何回も牛の大群がくつろいでいらっしゃいました。そのため牛の大群を避け、大回りする必要がありました。何回も柵をくぐって道を外れたわけですが、今更ながら心から納得したのです。牛柵は人間に対し、入る(くぐる)ことを禁止するためのものではなく、牛が逃げないようにするためのものである。
私が最初にスイスでハイキングしたときに、散々歩いた先の道の真ん中にいきなり有刺鉄線が通せんぼをしていて、えっ この道じゃなかったのか?と途方にくれたのを憶えています。その鉄線には取っ手がついていて、自分で開けて通れるようになっていました。
そう、牧草地を仕切る電気が通ってる線、有刺鉄線(これは現在は新設が禁止されているけど昔からのは残ってる)、石積み壁と色々種類はありますが、それらは家畜が外に出ないようにするためのものです。人間は柵を越えてどこを通ってよいのだ。しかし柵のおかげで牛がこちらに来ないんじゃないかな、という安心感がある。電気が通ってる牛囲い線には取っ手がついてる通り道などがあるし、それ以前の石積みの壁には人間を通すための隙間がある!
人ひとりがやっとこさ通れる切れ目と、右側に線と取っ手。
La Cureから緑の線を一周して戻ってきて参考コースタイムが4時間20分。ピンクの太線は国境線。
写真と歩行は2022年7月下旬
コメント
知らずに有刺鉄線にて出逢ったら途方に暮れますよね。石壁はローマ遺跡なのかと思ってました… そちらは要は今、干ばつなのですね。
よく見ると道を横切る柵や線には必ず開閉用の取っ手などがついているのですが初めて遭遇した時は焦りました。
「干ばつ」!すごい単語だ!
そういえば先日フランス北部のブルターニュ地方在住者が来訪し、語ったところによると4月からほとんど雨が降ったないそうです。スイスはそこまでではないかなあ。フランス人たちはうちの近所でサッカー場やテニスコートに水蒔いているの見て衝撃を受けてました。スイスも本当は個人宅での芝生の水まきとか禁止するべきだと思うのだが、放任ですね・・・スイスの場合、山の雪や氷河が暑さでドンドン溶けているという笑えない状況で結果として川や湖の水量はそれほど減ってないのですよ。農業関係は雨に頼れないので水まきの経費がとんでもないことになってるそうですが、平地なら何とかなってるみたいです。写真のJura山地は川がないという地形で被害が大きいそうです。