ブドウ畑の中を歩く(16)Valaisのブドウ畑

今回で一旦ブドウ畑シリーズはお休みしますが、この先のSion周辺の予告。Sion周辺には高所に灌漑するBisse(用水路)システム

ジュネーブからBrigまで鉄道に乗ると、列車は右手に見えるレマン湖沿いを走り、やがて左手のブドウ畑が見えてきます。ブドウ畑は最初は緩やかな、やがて急な見上げるような斜面となり世界遺産にも指定されているLavaux(ラヴォー)に入ったことを告げます。

そして石壁

ブドウ畑はMontreux(モントルー)で一度途切れますが、ローヌ川沿いの広い谷に入ると今度はChablais(シャブレ)のブドウ畑。列車はValais州に入り、Martignyで進行方向を変え川沿いを走り続けます。

石壁の表面積のほうがブドウ畑のそれに勝ってるんじゃないかと思われるくらいの石壁

MartignyからLeukまでの川に沿って走る鉄道と、左手の南斜面山肌のブドウ畑。MartignyからSaillonを経由してSionあたりまではほどほどの斜面ですが、その先は超急斜面やSaillonも若干そうだったけどボコボコと丘が横たわるなど、氷河が造形した凸凹地形をものともせずブドウ畑がつくられています。

Sion周辺

Lavauxが湖と相まって優美な風景だとするとValaisのブドウ畑は時には根性と武骨さが見られます。でも中に入ったり上から眺めるとうっとりするような美しさ。スイスのブドウ畑なんてフランスやイタリアやカリフォルニアに比べたら小さい小さい。だけど小さいからこそ歩ける歩ける。

Fully近くの石積み壁

Valaisのブドウ畑の特徴、まずは石積みの壁。セメントなどのつなぎなしで積み上げたMur en pierres seches(乾いた石の壁)。壁の近場にあった石や岩を使っているので地域ごとに石壁の様相が変わります。

Sion周辺

この石壁のおかげで超急斜面にもブドウ畑が作られています。SionとSierreの間には特に急斜面があり、一番高いところで壁の高さが17m。MartignyからLeukまで、ブドウ畑にある石壁の総延長3000㎞。

ブドウ畑にポツンポツンと点在している小さな小屋がguérite(方言らしい)。悪天候時に雨宿りしたり、作業道具や荷物を入れといたりします。

sentier des vignes et guérites 黄色の表示板とかぶってます

GransonからFullyまでsentier des vignes et guéritesという表示板(茶色)付きのハイキングコースもあり、一部は我々が歩いてきた黄色の表示板のコース(36番の道)と共通しています。ハイキング道ですが、Gransonから少なくともSionくらいまでは斜面がほどほどになだらかで舗装路、土の道、林の中の道、ブドウ畑の中の道等々が交錯しているので、表示板に対してそれほど神経質にならなくとも適当に歩けると思います。次の目的地の集落は遠くからでも見えますし、バスは川沿いの大通りを真っすぐに走っているので、どうしてもわからなくなったら何とか下に下りれば車が通る道に出ます。バス道のさらに南が鉄路です。

36番の道は集落の中心より上の部分を化する様に通っています。また古くからの集落(大抵中心に教会がある)が小さくある、その下のほうにかけて新しい住宅地が広がっており、バス道もそこを通っていることが多いです。ブドウ畑は標高400~800mにかけてあります。

ポツンポツンと小屋

今回で一旦ブドウ畑シリーズはお休みします。SionからLeukまでの続きはそのうちに再開しますのでその時はまた!

写真と歩行:Sion周辺は2014年4月中旬、それ以外は2021年11月初め、2022年1月下旬

sentier des vignes et guérites(ブドウ畑の中の小屋を巡る道)

https://www.terrenature.ch/balades/sur-le-sentier-des-vignes-et-guerites/

http://www.randonature.ch/sentiers-didactiques/valais/sentier-des-vignes-et-des-guerites

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