スイスにおける、人それぞれの語学力(2)

Martigny(Valais) 昔の学校

私の知人はスイスのドイツ語圏で生まれ育ち、学校でフランス語を真面目に勉強し、弟さんがフランス人と結婚したので(弟さんはフランス語を学びにフランスへ行き、そこでフランス人女性との間に子を授かった)義妹や姪とフランス語で会話し、フランス語圏に遊びに行ってレストランで注文するなどしていましたが、30歳を過ぎてフランス語圏に移り住んで生活すると、同僚との会話などで自分のフランス語力が全く足りていないのに気づき、驚愕したそうです。スイスで暮らしてもそんなもんです。

Evionnaz(Valais)の小学校

ちなみに私のドイツ語圏に住む義母は義務教育終了後、当時多くの少女がそうだったように15歳でフランス語圏の農家に住み込んで家事手伝いをしてフランス語に磨きをかけ、第二次世界大戦の終わりをその地で迎えたそうです(スイスは参戦せずとも戦時体制には変わりなく、その日は村中が喜びに包まれた、と70年以上経っても語っていた)。

Evionnaz昔(今も?)学校

その1年のお陰で私と意思疎通ができるのはありがたい。このFille au pair制度、今もあるけどスマホで常に自宅や友達と交流できてしまう状況だと昔ほどは効果がないかもしれませんね。ホームステイ自体もそうか。しかし15歳で家を離れて家事修行するのがスイスではごく普通だったというのはすごい。特に貧しかったというわけではなく、義務教育以上の教育にあまり執着しない人が多いのは今でもスイスの実情なんですよね。人にもよるけど彼女は新天地で暮らせてとても楽しかったといつも言ってます。

Roche(Vaud)は少し離れたところにある塩鉱山関連で栄えた町で、塩精錬の建物が残ってます。今は町役場の建物は昔学校部分が併設されてたらしく、

ロマンシュ語圏では皆ドイツ語and/orスイスドイツ語を操るし、イタリア語圏でも非常に多くがドイツ語、スイスドイツ語を理解できます。その後地元密着の生活になると衰えるかもしれませんが。

正面扉の上を取り囲むように、

ドイツ語圏では、私的な会話で使っているスイスドイツ語に加えて学校では標準ドイツ語で読み書き・話すことを訓練します。これは家庭では方言、学校では標準語の日本語で読み書きをしている日本でもそうなので、それほどは難しくはないのかもしれません。ただ、方言が外部の人には理解が難しいということ。

本のモチーフ!

外国人だろうと何だろうと、ドイツ語圏スイス社会に溶け込んで暮らすためにはスイスドイツ語が必須ですが、逆にスイスドイツ語が話せれば、国籍にかかわらず、外見が欧米人でなくても職に就ける、同等に扱ってもらえるという側面もあります。今思えば、ダニエル・カールは山形弁を話すだけで珍しがられてもてはやされてたなあ。しかもあの山形弁って私でも理解できる、なんちゃって山形弁だったのでは?

コメント

  1. 合言葉は同じ誕生日♫ より:

    フランスでの家事修行のお話で、戦前に与那国島で年頃の娘さんが台北に家事修行というのがあったことを思い出しました。

    • panorama-alpin より:

      その昔、農業機械が入る前は常に農家に人手が必要だったそうで、大規模で裕福な農家には外部から住み込みの働き手がいたそうで、その点を扱った映画を何本も見たな。
      しかし、家畜もいてその家でほぼすべてが賄われている状況で、戦時中でも食糧事情はとてもよかったそうですよ。
      義母は80代になってから、鉄道で日帰りでその農家を訪れて(アポなし)、子孫と会ったそうです。

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