スイスで話されているドイツ語(5)映画「ウルスリの鈴」

スイスドイツ語の話の途中ですが、一休み。映画「Schellen Ursli ウルスリの鈴」は同名の絵本の実写映画で2015年の公開。1964年に続いて2回目の映画化です。絵本の作者、文章のChönzと絵のCarigietはそれぞれSamedanとTrunとグラウビュンデン州の出身。SamedanがあるEngadin Bassa地方の実在の行事、春先(3月)に子供たちが鈴というか鐘を鳴らしながら行進する行事・Chalandamarzの前夜から朝までの主人公Ursliの冒険を描いています。

Trun駅前すぐにある、ウルスリの鈴の絵を描いたCarigietの生家にあるパネル

絵本が出たのは1945年、それ以前のEngadin Bassaということは主人公たちが話すのはロマンシュ語のはずですが、それだと字幕が必要となり、子供を対象とした映画には向かない!ということでスイスドイツ語と標準ドイツ語が話されています。

この建物

映画の中、小学校の授業のシーン(複式学級だ)の地理の時間、Schweizをシュヴァイツと発音しているので、学校の授業で標準ドイツ語を使っているんだなあ、とわかります。ウルスリをはじめとする村人は大人も子供も彼ら同士ではスイスドイツ語。Chalandamarz前夜、雪の降る晩に教会に集まった村人に牧師が語っているのは標準ドイツ語でです。

別の角度から

あの絵本をどうやって映画分の長さにしたのかというと、絵本にはない夏の間に高所の小屋にヤギを連れて家族で移り住んでチーズを作る(=Alpage)暮らし、秋にヤギとともに丹精込めて作ったチーズを積んで山道をたどって麓に降りる様子が描かれ、また原作にはない悪い奴を登場させたり冬場の麓の村での生活の様子を見せるなどしています。

こちらはウルスリの鈴の舞台になったGuardaの町。

秋に高所のチーズ小屋を去る時に、小屋にお守りのようにパンを残していってますが、この日持ちがする丸い輪になったパンはこちらで書いた通りです(数か月ぶりに小屋に着いたウルスリが食べるパン)。

上が丸くなっている扉は絵本にも出てきた通り

映画・絵本の物語の舞台となった時代、スイスは社会保障とかそういったものもあまりなさそうで、人々の暮らしは大変だったのだろうなあ(今は違う意味で大変だが)と思わせる面もある映画です。そしてその頃から義務教育が始まって、標準ドイツ語の学校の場での習得も始まったのでしょう。

それに壁に描かれた模様

スイスでは去年Play Suisseという登録すれば無料で見られるNetflixスイス版という触れ込みのプラットフォームができ、おそらくスイス国内限定ですがSRF/RTS/RSI/RSRのスイスのテレビ組織が制作に関連したドキュメンタリーや映画などが多数観られます。

と書いてたら、絵本・映画の舞台となったGuardaに行ったことを思い出しました。次回、Guardaとその周辺について書いてから、また「スイスで話される言葉」に戻ります。

ウルスリの鈴の映画の公式サイト

http://www.schellen-ursli.com/

原作の絵本と映画の舞台となったグラウビュンデン州のEngadin地方のサイトからSchellen Ursliの紹介:

https://www.engadin.com/de/unterengadin/schellen-ursli

こちらはグラウビュンデン州の観光サイトから

https://www.graubuenden.ch/en/schellen-ursli

Guardaの紹介

https://www.schweizmobil.ch/en/hiking-in-switzerland/services/places-of-interest/sehenswuerdigkeit-0360.html

Chalandamarzの紹介

https://www.graubuenden.ch/en/graubuenden/general-information/customs-traditions/chalandamarz

グラウビュンデン州の観光サイトからGuardaの紹介:

https://www.graubuenden.ch/en/graubuenden/regions/mountain-villages/guarda

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