COVID-19とスイス 新型コロナワクチン接種(2)Vaud州の場合

毎度のことながら州がそれぞれ独自の基準で行っているのだけど、私の住んでるVaud州は申し込みのシステムが穴だらけ。なんと他州に住んでる健康に問題なしの30代が問題なく接種できてしまった、とテレビで証言していたほどなのだ(3月にあった放送。ちなみに最近のラジオ番組によると他州の住民の越境申し込み&接種は、州をまたいでの通勤や複数の州に住居があるのは珍しくないし、ワクチンのお代(接種者負担はゼロ)は健康保険会社から出るので問題ないそうだ)。
ここから先はVaud州限定の話、しかも私が申し込んだ4月初めの話:ネットでの登録では年齢、慢性的な病気にかかってるか、病院や介護などで働いているか、などをイエス・ノーで答え、最後に「貴方は接種申し込みができます」「まだです」との判断が出るのだ。しかしめでたく「接種OK」でもそれに対してパスワードが出てくるわけでもなく、ただそれだけなのだ・・・
その後、自分でサイト上から空きがあるワクチン接種会場と5分刻みでの指定時刻を見つけて申し込む。その際に「ワクチンを受けれるかどうかのイエスノーテストをやりましたか?」「結果はどうでしたか?」と問われ「イエス」にチェックを入れればOK。本当かどうかの確認なし。何それ?ザルだわ!雇用証明書や病気証明の提示が求められるとはあったけど、Vaud州のワクチン会場では誰にも見せることなくノーチェックだという話は広く知れ渡っていた(他の州ではチェックしてたとこもあったようだが)。ワクチンが用意されてるのにそれを無駄にするようなことはないとは思っていたけどそれにしても大雑把だった。
大体「病気」も「職業」も基準があいまいで、拡大解釈も可能。逆にどんなに頑張って基準を作っても、そこに収まり切れない例外は必ずある。病気や職業に関係なくワクチンを受ける必要のある事情もきっとある。というわけで、年齢も病気も職も関係なく多くの人が早めにワクチンを受けてしまったのがVaud州の現状だけど、目的はとにかく住民の大部分になるべく早くワクチンを打つこと。多少のズルが出ることもは覚悟の上で、確認や選別などにかかる人手と手間を省いたらしい。行政が住民台帳?から選別して通知して~をやってたら時間がかかりすぎる。2週間くらい前から50歳以上は健康な人でも誰でも接種対象となったし、4月26日からはなんと18歳以上は全員申込み可になった。(Vaud州だけでなく、Jura州は5月6日から16歳以上は誰でもOK)
こうした大規模接種が可能になったのはワクチンが確保できたのと(これに関しては金は力なりだと思う)、超大型会場をつくったことにある。モーターショーを開催するPALEXPO(これはジュネーブ)とかComptoir Suisseを開催していたBeaulieuとかモントルージャズの会場にもなる2m2cとか、日本だったら幕張メッセか東京ビックサイトか朱鷺メッセあたりかしら?どうせ今は大規模な行事は何もできないのだから広大なコンベンションセンターを接種会場にして、平日は22時までで土曜日も開いているとか普段のヨーロッパの人の、夜と週末は働かないぞ意識からは考えられない。異例づくめ。それと巨大会場(Vaccinodrome ヴァクシノドローム)も必要だけど、交通機関を使わなくても行ける近所の薬屋さん(薬剤師います)でも打てるようになったのも大きい。
(続きます)

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