Graubünden(グラウビュンデン)州、特に東部(つまりVal Müstairはそう)の郷土料理がCapuns(カプンス)。上の写真は2019年に食べたものですが、室内が暗かったので写真が幾分不鮮明。
Capunsのレシピは州のおばあちゃんの数だけある(!)そうですが、基本は小麦粉と卵を練ったものを葉でくるんで熱を通したものです。小麦粉+卵の生地はSpätzle, Knöpfleとも呼ばれ、ハンガリー、南ドイツ、オーストリア、南チロルでもおなじみです。
Capunsではこの団子の中に現地産の干し肉を細かく刻んで入れます。干し肉は2種類で、一つがSalsiz(写真なし)でソーセージの形状の塊肉でサラミソーセージのよう。乾燥方法はあくまで自然乾燥でGraubünden産の特徴は燻製にしないことと、圧縮するので形状が四角い筒型。
もう一つはBündnerfleischで訳すと「グラウビュンデンの肉」、ロマンシュ語ではpulpa、polpa等の名です。スーパーでは薄切り状態で売られていることがほとんどです。スイスで売ってる薄切り肉、ハムには冷蔵コーナーにあるものと、常温で売られてるものがあり、それぞれ多種多様です。常温コーナーでもスペインやイタリア産、スイス産ならヴァレー州、グリュイエール(フリブール州)、Ticino州産、それにグラウビュンデン州産等々、それぞれの製法を誇ってます。
グラウビュンデン産がヴァレー産のと違うのは、Salsiz同様燻製にしないこと。まずは肉に塩とスパイスを加えて数週間、零度に近い温度で保存し、次の数週間は自然乾燥させます。
乾燥期間中、水分を完全に抜くために圧縮し、この過程で独特の四角の形になり、重量が元の半分くらいにまで減ります。CapunsではSalsiz、Bündnerfleischともにみじん切りや細切りにします。細かく切ったのを中に入れたり仕上げにパラパラと振ったり。そのままつまみに食べても旨いです。
もう一つの主役が葉。Chard(チャード)、Swisschard、ドイツ語ならMangold、和名はフダンソウ、またはCôtes de bette(仏) / Krautstiele(独)、またはロメインレタスなどを使います。葉は一度湯がいてから使うので、これらは加熱にも強いのだとか。
作り方は本当に色々ありますがスタンダードなサイトと動画を載せておきます。次回は実際に作る!そして食べる!