新ゴッタルド鉄道トンネルが2016年に開通した際のセレモニー、一番列車にはスイス・イタリア・フランス・そしてドイツの首相やら大統領が相席で乗ってました。BaselとChiassoを一気に結び、時間短縮だけでなく、列車がほとんど上り下りせずに高速で駆け抜けることを可能にするトンネルは、これらの国の共通利益、というかスイスの周辺国の圧力により建設されたわけです。
Milanoにも行ったことだし、ドイツの街にも行ってみよう!あまりに遠い昔のように感じる今年の3月初め、ロックダウン直前に運よく遊びに行っていました。ハンブルクと近郊のリューベックの二都市に計5泊の滞在でしたが、スイスからドイツの北端まで鉄道で行ったので、行きと帰りにそれぞれほぼ丸一日かけてます。
CFFが売り出した、スイスのどの駅から、ドイツのどの駅まで乗っても同料金(往復79CHF くらいだった)という、破格の企画切符があったから、そして同料金なら、と思いっきり北に行ったのですが、長かった。バーゼルからハンブルクまで乗り換えなしで6時間半。次回は格安航空会社で行くかな、と思ったが、格安航空会社、この先はどうなるのだろう???
旅の目的地の選択の基準がそんな感じですが、海の近くなのでお魚天国らしいと聞いていたので期待してました。スイスは海無し国ですからね。魚料理はそれほど堪能しなかったのですが、違った意味で、ものすごく港町だなあ、と感心しました。
まず、泊ってたところがエルベ川近くで周辺の説明が「ポルトガルレストランが沢山」とありました。スイスの特にフランス語圏のレストラン、レストランに限らずですがパン屋も含めて特に食事処関連はポルトガル人の手によることが本当に多いので、えっ それは普段とあまり変わらない?と思ったら、ハンブルクのポルトガル人は船乗り関係でやってきて住み着いた人たちなんですね。
スイスのポルトガル人は1950年以降に来た人たちがほとんどだそうですが、ハンブルクの方はそれより昔からです。通り一帯ポルトガル語あふれる界隈でした。メニューも二か国語併記だし。そうか、ポルトガルは大・海運国家だったな。
ハンブルクにやってきた船はポルトガルからだけではなかったのです。ポルトガルレストランが軒を連ねるDitmar-Koel通りの東端にはノルウェー、フィンランド、デンマークの国教会がありました。
なぜだかスウェーデンは見つけられなかったんですが。この国々の船乗りたちが来て祈った教会。
海ってやはり危険なことも多いから、船員教会というのがあるんですね。今では祈る場所というよりその国の文化を紹介する施設のようにもなっていて、物産販売コーナーもあったし、フィンランド教会施設ではサウナも!
船乗りが来る集まるといえば「歓楽街」。Reeperbahnというのが有名ですが、ここ、幅が広くて交通量の多い、路線バスも当然通る大通りの両側にその手の店がありました。そういった店のほかに、劇場などもあるのは新宿のコマ劇場と歌舞伎町を思い出しました。コマ劇場はもうないか。Reeperbahn、昔は知らないけれど、賑やかというより物悲しい印象、今はすぐそばにオフィスビルや閑静な住宅街があったりして不思議な感じでした。
写真は2020年3月上旬